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人事マンが買うべきデータはここにある。:ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える [社会]


ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

  • 作者: ラズロ・ボック
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2015/07/31
  • メディア: 単行本



筆者はグーグルの人事担当上級副社長。
本書は筆者がグーグルの人事制度についての事実とその狙いを事細かに語っている。

企業において人事については、制度・採用・昇格昇給の扱いなどいろいろな人が思いつきで口をだすことが多い。が、本当に意味のある人事制度とはどのようなものなのか?を知りたいならば本書を読んでみることは大いなる手助けになるだろう。

【目次】
1章 創業者になろう
2章 文化は戦略を食う
3章 レイク・ウォビゴンの幻想
4章 最高の人材を探す方法
5章 直感を信じてはいけない
6章 避難所の運営は避難所に任せる
7章 誰もが嫌う業績評価と、グーグルがやろうと決めたこと
8章 トップとボトムに注目しようーー二つのテール
9章 学習する組織を築こう
10章 報酬は不公平でいい
11章 タダ(ほぼタダ)ほどステキなものはない
12章 ナッジ/選択の背中を押す
13章 人生は最高のときばかりじゃない
14章 あなたにも明日からできること
人事オタクのためのあとがき


本書が語っているのは人事の仕組みを通じた会社の発展について。
日本企業の人事部には、人事制度や法律に詳しい人は多いのだが、人事を通じてどのような企業をつくり上げるのか?や会社の発展に最も必要な人事制度は?と問われた際に答えを出せない人が多いようにも見受けられる。
本書は、上記のような人事における根源の問について応える内容となっている。

加えて、グーグルという企業文化らしく、本書で語られる人事制度については、データや数的情報に裏打ちされている
よくある制度変更のように、「福利厚生を改善したから離職率が減るはず」と言ったレベルの話ではなく、「●●の制度を☓☓に変えたところ、社員のアンケートにおいて△△ポイント肯定的な答えが増えた」というレベルでの検証が全てにおいてなされているのだ。

日本では(と言うか、ITベンチャー以外の企業では?)人事制度において”実験”してみることは労働組合の反発などが簡単に予測できることから現実問題非常に難しい。
この点は人事の合理化を阻んでいる大きな壁なわけだが、世界にはそうしたタブーのない企業というのは確実に存在し、そのうちの最も大きな一つが本書で語られているグーグルだ。
であるならば、本書で語られているグーグルの答えをカンニングしないのは非常にもったいない話であるといえる。

自社ではお手軽に試すことのできない情報にが満載なので、本書でヒントを得て、出来そうな改善からでも手を付けていく。
そうすることで小さな積み重ねが大きなアドバンテージにつながっていくことだろう。

人事マン必読の本とっても良い一冊だ。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

他のBlogの反応はこちら
http://manachika.at.webry.info/201510/article_7.html
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-2531.html
http://donhenley.blog.so-net.ne.jp/2015-09-22
http://blog.livedoor.jp/fukusuke55/archives/54522678.html
http://d.hatena.ne.jp/arn/20150817/p1

人事に携わったことがある人間としては、”ダメ社員”の存在を前提にしていないグーグルの仕組みは非常にまぶしく感じられる。だが、本書を読めば"ダメ社員"の存在を前提にしている会社に優秀な社員が入ってこないこともよく分かる……。








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