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ブラック企業を避けるのは簡単だ:進め!! 東大ブラック企業探偵団 [経済]


進め!! 東大ブラック企業探偵団

進め!! 東大ブラック企業探偵団

  • 作者: 大熊 将八
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/02/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ブラック企業とは儲かっていない企業である
この単純な真理をわかりやすく説明している。

企業がブラック化することについて、労働時間とか、ワンマン社長の存在などは本質の原因ではない。
儲からない企業は従業員に配分する原資がないため、どんなに頑張っても遠からずブラック化していく。
その当たり前の事実を明確にしたうえで、実在の企業を例にとってわかりやすく解説しているのが本書だ。
【目次】
第1話 もしも東大生があの外食企業に内定してしまったら
 その一、外食産業のホワイト企業を探せ
 その二、牛丼最終戦争
 その三、回転寿司業界に眠る超優良企業
 その四、寿司は世界を回る
第2話 怪人エヌVS.団長ハルキ テレビ業界の“黒い未来”
 その一、「いつか来た道」
 その二、永久に不滅なもの
 その三、王様と奴隷
 その四、メディア業界の救世主
第3話 危うしマオ! 御用ジャーナリストが語るニッポンのものづくり
 その一、ニッポンのメーカーに、それでも明日はある
 その二、大手メーカーの大本営発表
 その三、決戦! 駒場祭
 その四、家電メーカーの白い未来
第4話 カンタ奮闘! 金融憂鬱列島ニッポン
 その一、地方銀行の苦悩
 その二、暗雲! メガバンクの内憂外患
 その三、ゴールドマンサックスの“賭博場”
 その四、本当の銀行


本書で取り上げられているのは、外食・テレビ・家電・銀行の各業界。
どの業界もBtoC企業中心で多くの人にとってなじみやすい。
そして、ブラックと言われている企業もそうでない企業も混ざっているのだが、
それゆえにマスコミなどでたたかれるブラック企業と、本書が言うブラック企業(予備軍)との違いが際立っていて面白い。

本書の主張は冒頭にも書いた通り非常に単純で、
儲かっていない企業は遠からずブラック化する。
というもの。

これに対する異論は書評やamazonレビューにはあふれているのだが、
本書の主張は一つの真理であることは間違いない。
仮に、最強の労働組合があって従業員への配分が手厚い企業であったとしても、企業そのものに大きな儲けが出ていない以上、手厚く配分することはできないのだから。

だとするならば、ブラック企業を避ける方法は非常に簡単で、
儲かっていない企業に就職するのをやめればいい。
ブラックかそうでないかを悩む前に、少しでも儲かっている企業に就職できるように頑張るのが、ブラック企業を避ける一番の近道なのだ。
そして、本書はその儲かっている企業の探し方のさわりをわかりやすく、面白く書いている。

見た目やタイトルはややアレだが、内容としては悪くない。
学生さんにはお勧めできる一冊だ。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら
http://tsunoken.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-7967.html
http://blog.livedoor.jp/gurgur717/archives/51624485.html
http://blog.livedoor.jp/mediaterrace/archives/52617672.html






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コメント 1

仙石浩明

投資家を目指す人には役立ちますが、(投資先ではなく) 就職先を選びたい学生さんにはお勧めしかねます。確かに、

儲からない会社 ⇒ ブラック企業

ではあるのですが、ホワイトな環境が従業員を育てるかと言えば、そんなことは全く無いですよね?

むしろぬるま湯につかっている間に、社外では通用しない人材になってしまうのがオチです。実際、大企業の多くで「社内失業」が問題になっています。

日本の大企業の多くがなぜグローバル化で儲からなくなってしまったかと言えば、人口ボーナスという「ホワイトな環境」で改革を怠ったからです。個人においても同じことが言えるのではないでしょうか。

「日本の企業はぜんぶブラック企業になる」というのは正しくなくて、自らを変革していけない企業や個人はブラックになる、ということだと思います。

学生さんには、目先のホワイトに惑わされず、自分自身の成長を第一に考えてほしいと思います。
by 仙石浩明 (2016-05-29 19:12) 

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