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これじゃ救われない:日本を救う数式 [経済]


日本を救う数式

日本を救う数式

  • 作者: 柳谷 晃
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 2016/02/29
  • メディア: 単行本



筆者の肩書を見たらまっとうな数学者のようだったので興味を持って読んだのだが……。

本書の内容では誰も救われません

本書の内容は単なる清貧の思想と言うか、あきらめを勧める内容なので、なんの解決にもなってないのが残念だ。

【目次】
第1章 成長前提の政策がありえない理由
 経済成長よ、もう一度
 帳簿を見るのは命がけ ほか
第2章 グローバル化にメリットはあるのか
 グローバル化と大恐慌
 「バブル景気は終わらない」信仰 ほか
第3章 GDPの数字マジックに頼ってはいけない
 GDPは経済指標になるのか
 名目GDPと実質GDP ほか
第4章 バブルは必ず繰り返す
 信用創造という名の借金
 金融危機とバブルの歴史 ほか
第5章 勇気をもってダウンサイジングを
 会社の資産もバブルで消えた
 不良債権の真の怖さ ほか


本書の主張は、
・政策で景気を上向けることは基本的に出来ない。
・バブルは恐ろしいものなので絶対に起こしてはいけない。
・経済指標よりも個人的な豊かさを追求すべき
と言ったあたり。
これが真実かどうかを即座に判断できないのは経済学の弱点なのだが、
本書の言う内容では誰も救われないのは確実だ。

最新の経済学の知見を全く無視して、原始的で貧しくても幸せならいいのでは?と言ってるように思えてくる。
いわば日本で好まれる典型的な「三丁目の夕日」主義と言えそうだ。

工学の分野で同じ主張をするとカルト扱いなんだけど、
経済学だとこういう言論が成り立つのが残念だ。
同じく景気浮揚に絶望的な見解を持ちつつ、対策としてハードランディングを主張して悪いところを一掃しようと主張する例えば池田信夫氏の主張のほうが前提は同じでも、処方箋としては成立している。

ということで、私は本書で救われることは何もないと思う。
が、こういう言論が好きそうな人がいるのも事実。
経済学に絶望した人とか、これから国政の政治家を目指すような人には(有権者対策として)いい本だと思う。

★★☆(★2つ半)

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