歴史コラム：経済は世界史から学べ!

経済は世界史から学べ!

• 作者: 茂木 誠
• 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
• 発売日: 2013/11/22
• メディア: 単行本（ソフトカバー）

現在の経済ニュースに関係する世界史の知識を解説した本。
Amazonの紹介などでは、「経済を理解するための世界史」というトーンで紹介されているが、経済に関する部分の解説は不十分・不正確。
世界史部分の解説は面白いので、本書は経済の本ではなく、歴史の本として分類されるべきだといえる。

【目次】
第1章 お金(1) 円・ドル・ユーロの成り立ち
第2章 お金(2) 世界経済と国際通貨
第3章 貿易 経済の自由化
第4章 金融 投資とバブル
第5章 財政 国家とお金

本書で解説されているのは、通貨・貿易・金融・国家財政。
どの部分についても言えることなのだが、経済に関する説明については目新しいことが全く無い上に、一部のパートはイデオロギー優先の解説がされている。
（大筋は間違っていないが、貿易のパートなどはイデオロギーが前に出すぎていて、教科書的な解説を無視している）

以上より、本書を経済の教科書、入門書として読むのは全くおすすめできない。

反面、関連する歴史の解説・文書は筆者の本業（予備校講師）と密接に関係しているからか、非常に面白く書かれている。
歴史については、流れを説明しつつ、人物の解説を挟むという王道の説明方法を取っており、非常に安心して読むことができる。

経済の入門書としてはおすすめしないが、歴史の読み物としては非常に面白い。
これが本書の妥当な評価だと思う。

☆☆☆（☆3つ）

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