政府の対策はまずまずまとも:それで寿命は何秒縮む? [科学]
福島第一原発事故の放射性物質の危険性を他の食品の危険性と比べることで、理解できるような気持ちにしてくれる一冊。
タバコ一本で縮む寿命は12分。
一杯のコーヒーで縮む寿命は20秒。
福島県産の露地モノほうれん草で縮む寿命は0秒~13秒。
単純化しすぎているきらいはあるし、今の科学に基づいた情報なので今後のアップデートは十分ありうるのだが、科学的に正確性を保とうとする本書の姿勢には好感が持てる。
面白くないけど、正しい。:食をめぐるほんとうの話 [科学]
バカバカしい情報にきちんと向き合う医学者の良心:「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る! [科学]
「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!
- 作者: NATROM
- 出版社/メーカー: メタモル出版
- 発売日: 2014/06/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ニセ科学の中でも、医学分野はお金になるため、ニセ科学の種類が非常に多い。
(医学以外のニセ科学だと"水からの伝言"ぐらいもメガヒットでないとお金を稼げないが、医学分野だとプチヒットでも十分に商売になる)
そんなインチキ情報がはびこる中で、自らの寿命を縮めないために必要とされる啓蒙書。
数学的な入門書としては最高:はじめてのゲーム理論 [科学]
原発削減には日米同盟の強化が必須:バークレー白熱教室講義録 文系のためのエネルギー入門 [科学]
「白熱教室」シリーズの中ではダントツのわかりやすさ(難易度の低さ)を誇る本書。
眠たくなることもなく一気に読みきってしまうことが出来る。
タグ:リチャード・A・ムラー ☆☆☆☆
敵がいると組織が団結する理由?:ヒトは食べられて進化した [科学]
ポジティブな考えは出世も呼びこむ:世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生 [科学]
世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生
- 作者: マーティン セリグマン
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2004/06/15
- メディア: 単行本
ポジティブな人間はネガティブな人間に比べて、満ち足りた人生を長生きすることが出来る。
この結論は今となってはさほど珍しいものではないだろう。だが、多くの人がわかっているように自分の性格・ものの見方を変えることは難しい。だとするならば、ネガティブな人間は運命を受け入れて短い人生を生きるしか無いのだろうか……。
その結論が本書では述べられている。
タグ:マーティン・セリグマン ☆☆☆☆
競争による全滅を防ぐために重要なホルモン:経済は「競争」では繁栄しない――信頼ホルモン「オキシトシン」が解き明かす愛と共感の神経経済学 [科学]
経済は「競争」では繁栄しない――信頼ホルモン「オキシトシン」が解き明かす愛と共感の神経経済学
- 作者: ポール・J・ザック
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: 単行本
本書のタイトルは「経済は「競争」では繁栄しない」。だが、本書の正しい内容をタイトルにするなら、「経済は『競争』だけでは反映しない」という方がピッタリだ。
筆者は別に競争による繁栄を認めない共産主義者ではなく、競争による利点を認めつつも、信頼・協力にも競争以上の力をがあると述べているのだ。
精神科への信頼が揺らぐ……:心は実験できるか―20世紀心理学実験物語 [科学]
このエントリでも触れた「服従の心理」で書かれている、スタンレー・ミルグラムの有名なアイヒマン実験。
結果がすごく衝撃的なこともあり、実験自体は有名なのだが、その実験を行ったミルグラムはどういう人生を歩んだのだろうか?また、ミルグラムの実験が心理学の世界に与えた影響とは?
こうした事実が取材によって明らかにされているのが本書。
ミルグラム以外にも、スキナー、ハーロー、モニス(ロボトミー実験の人)と言った心理学の有名ドコロに対して、彼らの人生と、医大な実験が心理学の世界に与えた影響を取材している。
非常に読み応えの有る一冊だ。
タグ:ローレン・スレイター ☆☆☆☆☆
選択のアウトソーシングを自己決定しよう:選択の科学 [科学]
NHKの「コロンビア白熱教室」のテキスト。
同じ白熱教室つながりでも、「ハーバード白熱教室」と違って、「選択」という多くの人にとって重要だが思い通りに行かないことがテーマなので、取っ付き易い。
タグ:☆☆☆☆☆ シーナ・アイエンガー