失敗した戦争ビジネス:日露戦争、資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち [歴史]
日露戦争、資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
- 作者: 板谷 敏彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 単行本
日露戦争の物語では「坂の上の雲」が圧倒的に有名だ。
確か、「坂の上の雲」では奉天で日本軍がロシア陸軍に勝った後進撃が止まったのは兵員・弾薬の補給が止まったからであり、ポーツマス条約の締結に至ったのはロシアで革命気運が高まったからだというトーンだった。
だが、本書が語る真実は違う。
日本陸軍が奉天での大勝後に押し込めなかった理由も、ロシアが講話に応じた理由もその大半はカネの問題なのだ。
日本の地図に対する意識:地図で読み解く日本の戦争 [歴史]
ヨーロッパ人から見た人類史:若い読者のための世界史 [歴史]
若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)
- 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
- メディア: 文庫
若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)
- 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/04/21
- メディア: 文庫
ヨーロッパ人から見た世界史。
本書の特徴は、上空から地上の出来事を眺めるようにある種覚めた感覚で歴史が語られるというところ。
ヨーロッパの世界史で言うとアレクサンドロス・カエサル・ナポレオン等伝記の主人公にふさわしい英雄たちが数多く存在するのだが、本書はそうした人にフォーカスせずに、人類の営みを淡々と綴っている。
公共事業投資の投資効率が低い理由の一つかも:自民党長期政権の政治経済学―利益誘導政治の自己矛盾 [歴史]
昔の自民党は選挙での協力を得るために、地元に鉄道駅や高速道路を引っ張って来ることが当たり前だった。と、誰もが信じているような内容だが、これは事実ではない。自民党長期政権時代の正しい政治家のあり方は、地元への利益誘導を謳いながらなにもしないことだったのだ。
その一見奇妙な仮説を論理的に説明したのが本書。
本書を見れば、有力政治家を多数輩出していても経済的に発展できない理由や、(金権政治の代名詞とされる田中角栄の娘である)田中真紀子が野党である民主党所属でやっていける理由などがよく分かる。
(どっちも、同じ根っこから発生した事象)
女もいろいろ:女と独裁者―愛欲と権力の世界史 [歴史]
独裁者の妻と愛人の歴史。
普通の人格障害者でも周囲を不幸にするのに、精神異常者の局地に居るような独裁者に関わって幸せになるわけは無いのだが、その中でも(比較的)マシな人生を送った人や、独裁者のせいで人生が台無しになった人、自業自得の人など、いろいろな人が居て非常に興味深い。
タグ:ディアンヌ・デュクレ ☆☆☆☆☆
考え方の根本が異なる相手との交渉:秘録・日韓1兆円資金 [歴史]
先祖と子孫に恵まれた人:源義家―天下第一の武勇の士 [歴史]
日本の中の狩猟文化:古代蝦夷の英雄時代 [歴史]
古代の武士はまたイメージが異なる:武士の誕生―坂東の兵どもの夢 [歴史]
一つ前のエントリで摂関政治についての本を読んでいる。
これは、同じ時代に起こりつつあった武士の始まりを描いた一冊。歯ごたえのある本だが、中身は非常に興味深い。