2003年の常識は現在の非常識:下がり続ける時代の不動産の鉄則 [投資・マネー]
2003年初版出版の本書。不動産右肩上がりの時代は終わった、ゆとりローンは怖い、郊外の広い土地より都心の狭い土地の方が価値がある等今では常識の事実が並ぶ。
そうした意味では、新たに学ぶことは少ないのだが、2003年時点では現在の「常識」が「異端」であったという背景を楽しむのなら悪くない。
筆者が最近新しい本を出したので挑戦してみたのだが、不動産に関しては当時と今では状況が違いすぎてむしろギャップを楽しむ方向にシフトしてしまった。
【目次】
1 知っておきたい不動産の鉄則10
2 不動産で失敗する人、成功する人
3 不動産バブルと住宅バブル
4 不動産新時代を生む不況と超低金利
5 不動産も本格的過剰時代へ
6 不動産新時代への対応ポイント
本書で言いたいことは、不動産が不動産と言うだけであがり続ける時代は終わったと言うこと。
はっきり言って、2009年の現在では常識である。
しかし、本書が書かれた2003年はバブルの記憶がまだ残っており、バブル時の半値になったと言う表現がリアリティを持って感じられた時代である。
加えて、低金利政策が実施され、今が買い時と思って買いに走った人も少なくない。そんな時代だったのだ。
そうした背景を加味してみると、不動産はまだまだ下がる、デフレ対応が必要、質が重要、郊外の不動産の価値はますます下落する、と言った筆者の主張は7割ぐらい当たっている。
厳密に言うと、2003年~2006年ぐらいまでだと100%大当たりで、その後の景気回復と一瞬の金利上昇が見えた瞬間を考えると若干はずれた部分もあるという所だろう。
悲しいことに、日本はデフレを脱却できずに、低金利は今も(そして、しばらく先も)つづくので、本書が「常識」を書いている感覚は当分揺るがないだろう。
そうした意味で、新たな知識を得ることは少ないが、当時の状況を振り返って楽しむには悪くない。
逆に言うと、今本書を読んで内容に目新しいモノを感じた人は危ない。そういうバブル直後の常識にとどまっている人は、絶対に不動産取引に関わってはいけない(けっこうな数そういう人もいそうなところが怖いけど)。
筆者が2003年当時に書いた内容が大筋で当たっているところを見ると、筆者の新作「失敗に学ぶ不動産の鉄則」にも挑戦してみようと思う内容であった。
☆☆★(本書は、☆二つ半)
他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
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古い本ですが、内容はしっかりしている。
皆さんも高い評価を与えています。
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