多彩な経済ネタ:狼と香辛料 10 [小説]
相変わらず多彩な経済ネタを誇る狼と香辛料の第10巻。
中世ヨーロッパ風の舞台と現代の経済ネタを掛け合わせた作風は健在。
今回のメイン経済ネタは、数年前日本でもはやった預金封鎖・新円切り替えが元になっている。
「預金封鎖―「統制経済」へ向かう日本」等の作品で知られる副島隆彦が2003年~2004年頃に積極的に主張していたのを覚えている人も多いだろう。
結局日本で預金封鎖を主張していた人たちは大ハズレで恥をかくだけに終わったわけだが、そうした胡散臭い手法も筆者にかかると、小説を支える見事なギミックになる。
半分以上電波で構成されていた預金封鎖・新円切り替えのスキームをこれほど見事に小説に組み込むあたりは筆者の力なのだろう。
中世ヨーロッパ風の舞台と、現代の経済知識。
それらが融合した筆者の世界が好きな人は安定して楽しめる作品であるだろう。
☆☆☆(☆三つ)
他のBlogの反応を探そうとしたのだが、
アニメ化の話題等が多すぎてエントリ検索に手間がかかるため断念。
それだけ話題の作品ではあるのだろう。
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