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事業仕分け人必読:人でなしの経済理論-トレードオフの経済学 [経済]


人でなしの経済理論-トレードオフの経済学

人でなしの経済理論-トレードオフの経済学

  • 作者: ハロルド・ウィンター
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2009/04/03
  • メディア: 単行本



どんな行動にも経済的なプラスとマイナスは存在する。
だから、一方的なものの見方はしてはいけない。たとえ屁理屈・天の邪鬼と言われようとも――

経済学でよく出てくる概念の一つ、トレードオフをくだけた感じで、わかりやすく解説した本書。
経済学に興味が無くても楽しめる秀逸な一冊だ。

【目次】
1 社会問題へのアプローチ
2 人命の価値っていかほど?
取引しようか?
おまえのものはオレのもの
持っているなら吸ってはいかが
人に迷惑をかけないとは?
規制と行動の変化
警告―製品に注意
解決策などない?


禁煙運動の活動家は、タバコには何のメリットもないと主張する。
寿命を縮めるし、悪臭は発生させるし、健康も害する。
さっさと禁煙して、持っているタバコは廃棄するのが自分のためにも、社会のためにも良いことなのだと。

個人の心情的には、全く持って同意できる主張なのだが、経済学的には正しくない。
タバコを吸うことによる損失は、タバコ代+健康被害・悪臭etcの見えない損失をプラスした額。つまり、この金額を上回るメリット(主に、自分の精神的安定)を得られるのならば、喫煙した方が自分のためには良いことなのだ。

また、社会的に見ても、タバコを吸う人がいることによって、医療費の増大・火災等の損失が発生している。そして、その損失はたばこ税の税収を遙かに上回ることが多くの研究によって支持されている。
では、タバコは法律で禁止する(あるいは、懲罰的に増税する)方が良いのだろうか?
もちろんそれも間違い。
喫煙者は自分の命(プラス、周囲の人の命)を縮めることで、年金の支払額を削減し、国家財政に貢献しているのだ。この視点は、嫌煙運動かもなかなか指摘しない点であろう。

このように、頭の硬い人からは屁理屈・天の邪鬼と言われるような主張ばかりがされている本書だが、軽く読める上に、トレードオフの神髄を理解することが出来る。
経済学の本なのだが、学術的に付会している箇所は全くないので誰でも気軽に読むことが出来る。

会話の幅を広げるにも悪くない一冊だ。
☆☆☆★(☆三つ半)

他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://100satsu.cocolog-nifty.com/blog/2010/02/--4bdf.html
http://blogessional.com/article/149175332.html
http://d.hatena.ne.jp/zoe1/20091214
http://blog.goo.ne.jp/sanno_el/e/eec93be5e56472280f190fe5932d6c54
http://d.hatena.ne.jp/ogijun/20090715/p1
http://d.hatena.ne.jp/e-takeuchi/20090414/p1
タイトルにも書いたけど、本書は事業仕分けの仕分け人にこそ読んで欲しい。
アレって、どう考えてもトレードオフを考えて居なさそうだもんなぁ。





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