アラフォーを狙ったガンダム商売:僕たちはガンダムのジムである [自己啓発]
「「意識高い系」という病~ソーシャル時代にはびこるバカヤロー 」とか、「「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために」と同様、普通に働くことの重要さを説く筆者の持論を書いた一冊。
そういう意味では筆者の他の本を何冊か読んでいる人なら余り目新しさはないかもしれない。ただ、タイトルからもわかるように本書は30代中盤~40代の読者を狙った書き方に微調整されている。
【目次】
第1章 僕たちの「戦場」は今、どうなっているのか?
第2章 僕たちはこうしてジムになる
第3章 僕たちジムのための人生戦略
おわりに 僕たちはガンダムのジムである
本書のあらすじは筆者の持論中心なので、余り語ることはない。
Webでの露出も多い人なので、Webの記事を中心に読んでいけば、だいたいどのようなことが書いているかは想像がつくのではないだろうか。
一言で言えば、多くの人はスーパーマンではないのだから、普通に働くのが一番。ということである。
おもしろみのない意見では有るのだが、独立を煽ったりイチかバチかのギャンブルに誘うような意見が世の中にあふれているため、そのカウンターとしての意義は有るのだろう。
筆者の語り口は面白く、ガンダムに惹かれる30代以上の男性ならおそらく面白がってあっという間に読むことが出来るだろう。そういう意味ではまさに安定した品質の一冊だといえる。
ただ、惜しむらくはガンダムをテーマに採用したからには、ゼネラリスト対スペシャリストの視点をぜひ入れて欲しかった。
ガンダムにおいては、基本的に連邦軍側はゼネラリストがメイン(ガンダム・ジム)でスペシャリスト(ガンキャノン・ガンタンク)はサブという構成であり、逆にジオン軍はゼネラリスト(ザク・ゲルググ)も居るのだが、メインはスペシャリスト(ズゴック・ギャン・ビグザム・ジオング等)という構成になっている。
ガンダムのストーリーではゼネラリストメインの連邦軍が勝利したのだが、ビジネス上はスペシャリスト信仰がますます強くなってくる。この辺りの視点で書いてくれたほうが目新しさがあってよかったのだが……。
☆☆☆(☆3つ)
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