経営学を学問として昇華させることは幸せにつながるのだろうか??:世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア [経済]
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山 章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
経営学は学問といえるのだろうか?
この疑問に経営学者が答えようとしたら、本書のような回答になるのだろう。
【目次】
1 これが世界の経営学
経営学についての三つの勘違い
経営学は居酒屋トークと何が違うのか
なぜ経営学には教科書がないのか
2 世界の経営学の知のフロンティア
ポーターの戦略だけでは、もう通用しない
組織の記憶力を高めるにはどうすればよいのか
「見せかけの経営効果」にだまされないためには ほか
3 経営学に未来はあるか
経営学は本当に役に立つのか
それでも経営学は進化しつづける
私を含めて一般的な人が持っている経営学のイメージは、うまく行っている企業のケーススタディを行ってそこから教訓を得ると言うもの。とはいえ、ケーススタディの定番企業が数年後経営危機がささやかれたり、倒産していたりするような事実もあり、技術習得の面は否定できないが、学問といえるかどうかは悩ましいイメージを持つことが多い。
そうした経営学の学問性について述べているのが本書。
経営学の本場米国を中心とした事例を上げて、経営学の最先端ではどのようなことが考えられていたかを解説している。
本書によると、経営学ではケーススタディよりも統計分析が重要視されており、学問としての再現性・理論性を重要視するような流れになっている。
そのため、従来のケーススタディ中心のイメージとは異なる理論が新たに生まれており、それらの理論は非常に興味を惹かれる内容となっている。個々の理論については本書でぜひ確かめてみて欲しい。
ただ、理論化・統計重視が進むとビジネスの現場での活用は難しくなってくるし。本書で紹介されていた理論も実際の企業経営に利用しやすいかというと疑問符が就くものも多い。ただ、理論化と実運用の乖離は実学だと大体どの分野でも問題になるので、経営学もそうした問題が発達するステージに進化しつつ有るのかもしれない。
経営学の学問としての側面に興味がある人や、経営学そのものを胡散臭いと思っている人は読んでみると意外な発見があるかもしれない。
☆☆☆☆(☆四つ)
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