まともなコンサルが居ないのが一番の問題:マンション管理組合理事になったら読む本 [投資・マネー]
マンション関連書籍シリーズ。
賃貸住宅に住んでいるのに、なんでこんなに続けているのか自分でもわからなくなりますが、まだまだ続きます。
今回は管理組合についての書籍。どんな本を見ても管理組合は面倒、ということは書いているんだけど、実際どのように面倒なのかはわからないので参考に読んでみました。
結論を言うと、運良く住人に恵まれないとマンション管理は難しいということがよく分かる。
【目次】
第1章 集合住宅の始まり
第2章 マンション所有と共同体参加
第3章 マンションの価値を考える
第4章 理事を楽しむための秘訣
第5章 理事として押さえておきたい大規模修繕工事の知識
第6章 先輩理事から学ぶ
本書は、集合住宅の始まりから現在のマンションを取り巻く法整備がなされるまでの歴史を概観した上で、管理組合理事の仕事について解説している。
歴史から語っていることがミソで、分譲の集合住宅と言うのはやはり通常の権利関係を歪めているところがあり、それを補うために理事はさまざまな仕事をしなくてはいけないことがよく分かる。
そして、それら理事の仕事を真剣にこなそうとすると、たしかに大変なのだ。
そもそも、管理費が月額平均1万5千円で200戸有るマンションを考えると、管理費の年間予算額は3,600万円。ちょっとした会社並みの規模だ。
そのなかから、管理会社に委託をして清掃・維持管理・警備等の業務をうまく回さなくてはいけない。
そこに加えて、修繕積立金の管理と大規模修繕も有る……。片手間ではちょっと難しい内容だ。
本書から読無ことが出来る理事がうまく活動できるポイントは、マンション住人の意見が極力一致していること。そうすれば無用なマナー違反のトラブルもなくなるし、修繕についても最低限の保守のみで金額を抑えるのか、不具合にまで手を入ればバージョンアップしているのかなどの考え方でもめる可能性も少なくなる。
このことからすると、マンションの間取り・金額はなるべく同質性が高いほうが望ましく、単身者とファミリーが混じったり、実需と投資需要が混じったりするマンションの維持管理は最低限しかできなくなると覚悟しておいたほうがいいだろう。
加えて、本書を読んで思ったのは、数千万円の予算を持ちながら適切な専門家にアドバイスを求めることができない市場の歪みだ。
予算規模と理事の業務の大変さ・複雑さを考えた時に、年間200万~300万で適切な専門家に顧問としてアドバイスを求めることが出来るのならばそうしたいという人は多いだろう。だが、実際問題そのようなサービスは成立していない。
ここにも、マンション維持管理の大きな問題が有ると思えた。
マンションを買ってしまった人には是非オススメ。自分が理事をやらないとしても、総会にどのような立場で協力していくべきかがよく分かる。
☆☆☆★(☆3つ半)
他のBlogの反応はあまりない。
買うこと・売ることに対する興味は大きくても、管理については皆さん興味が無いのかもしれない。
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