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法律はきっちりしているけど、使いこなせるかどうか……。:マンション法案内 [法律]


マンション法案内

マンション法案内

  • 作者: 鎌野 邦樹
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2010/08/30
  • メディア: 単行本



マンションでありがちな問題について、法律・判例はどうなっているかをわかりやすく解説した一冊。
わかりやすいと言っても専門書なので、全く法律を学んだことがない人には辛いのだが、大学が法学部だった人なら十分理解できるだろう。

それにしても、本書を見るとマンションで想定されるトラブルの多様さには驚いてしまう
(しかも、大体のトラブルに判例がある=裁判になった実例が有る)
それをマンションにつき物の欠点と見るか、戸建住宅に比べて法律が整備されているだけマシと見るかは人それぞれだろうが……。
【目次】
はしがき
第1章 マンションとは
 第1節 わが国の住宅の現況とマンション
 第2節 マンションの購入
 第3節 マンション法の内容と体系
 第4節 マンションの瑕疵(欠陥)と責任追及
第2章 マンションの財産関係
 第1節 専有部分
 第2節 共用部分
 第3節 敷地
 第4節 マンションの登記
第3章 マンションの管理
 第1節 管理組合
 第2節 規約
 第3節 集会
 第4節 管理者─理事・理事会・理事長
 第5節 管理組合法人
 第6節 管理の委託
第4章 義務違反者に対する措置
 第1節 居住者間のマナーをめぐるトラブル
 第2節 義務違反者に対する法的措置の概要
 第3節 義務違反に関する規約の定め
 第4節 共同利益背反行為の意義と具体例
 第5節 共同利益背反行為の停止等の請求
 第6節 使用禁止の請求
 第7節 マンションからの排除
第5章 復旧・建替え
 第1節 建物の滅失と復旧
 第2節 建替え決議
 第3節 売渡請求権の行使と建替え合意の擬制
 第4節 建替え事業の実施
 第5節 危険・有害マンションの建替え
  第6章 団地
 第1節 団地型マンション
 第2節 団地管理組合
 第3節 団地内の建物の建替え
事項索引
判例索引


目次からわかるように、前半の1章~3章は通常時の法律関係
マンションというものに関する考え方や、通常の運営に関する法律が解説されている。

例えば、マンションで言う専有部の対象になるのはどこまでか?
通説では、コンクリートの躯体部分は専有部にはならず共有部となる。専有できるのは、躯体の上塗り(壁紙や床板)より内側の部分だけだ。
窓ガラスを入れ替えたり、バルコニーを塗装したりするには共有部分なので、他の区分所有者の合意が必要になる。

そして、後半の4章・5章がトラブル時の法律関係
4章では騒音・ペットといった一般的に想定されるトラブルから、暴力団事務所が解説されたといったややディープなトラブルまでひと通り網羅されている。

そして、5章ではマンション最大の問題になる建て替えについて。
こちらも現在の法律はわかりやすく解説されているのだが、建て替えについては今後老朽化マンションが増えるに連れて法律も変わっていくだろうから、この部分は現在差し迫って必要な人以外には有効でないかもしれない。

本書を読んで思うのは、マンションについては法律がきっちりと整備されていて、管理組合の運営は法律に則って正しく行われる必要があるということ。
管理組合の側からすると、専門の法務部のサポートもなしで適法に運営するのは難しのではないだろうか?と思えてしまう中身であった。

☆☆☆★(☆3つ半)






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