SSブログ

競技観戦の手引き:頭脳勝負 [将棋]


頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688)

頭脳勝負―将棋の世界 (ちくま新書 688)

  • 作者: 渡辺 明
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 新書




竜王(将棋界序列一位のタイトル保持者)渡辺明が将棋という競技を観戦するための手引きとして出版した新書。
居飛車対振り飛車
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-02-19
とは異なり、将棋の技術書ではなくて、将棋という競技を観戦するための手引きである。
プロの将棋という競技を観戦するための手引書である本書は非常に珍しい。
将棋の本というと、棋士の人生を綴った本(「真剣師小池重明 」等)か、定跡書、詰将棋問題集、そして人生訓(「決断力 」等)といったものしかなかった。
そういった意味で本書は画期的な本といえる。

プロの将棋指しは何を考えて戦っているのか、どういう生活をしてるのかといった将棋を観戦するために必要な情報がコンパクトにまとめられている。
筆者の野球やサッカー等プロスポーツを見るのと同じように将棋を見てほしいという思いが伝わってくる本である。

欧米ではチェスが、お隣中国では囲碁が「頭脳スポーツ」としてオリンピックに名乗りを上げようかという現状に比べると、将棋の競技性についての現状は寒い。
渡辺竜王が本書を記したのも、そういった危機感があるからだろうかと考えてしまう。

本書の内容で特に面白かったのは有力棋士の紹介。突然タイトルを取った深浦王位はちょっと説明がおざなりだったが、羽生二冠、森内名人、佐藤二冠、谷川九段、藤井九段については短いながらも非常に面白い紹介がされている。
本来は将棋連盟のWebに乗せるべきだとは思うが、今の連盟には期待できないので渡辺竜王がやったのだろう。

本書は渡辺竜王のファンを増やそうとする試みが際立つだけに、連盟の普及活動に対して不満に思うこともあるが、梅田望夫氏のBlogやNHKでちょっとでも興味を持った人がいたら本書を手にとってほしい。

☆☆☆★(☆三つ半)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。