現代の池袋を舞台にした時代劇的作品:骨音 池袋ウエストゲートパーク3 [小説]
池袋ウエストゲートパークの第三巻
私は第二巻は未読だが、それでも十分に楽しむことが出来た。
第一巻のレビューはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-17
本書の魅力は、気軽に楽しむことが出来ること。これが最大の魅力である。
第一巻のレビューで新宿と池袋の違いはあるとしても、「池袋ウエストゲートパーク」と「不夜城」を並列して書いたが、読後感は圧倒的に異なる。
本書も「池袋ウエストゲートパーク」と同様に読後感はすっきりしている。悪者が滅んで正義(国家の法ではなく、池袋の少年の正義だが)が勝つという時代劇のようなわかりやすさとすっきり感を持った作品である。
ストーリーがすっきりしているというのは決してけなしているわけではなく、そういう作品こそ朝の通勤電車で読むには意味最適だといえる。
重たかったり読後感が悪かったりする小説も嫌いではないが、朝の通勤電車で読んで一日のスタートにするにはつらいものがある。「闇の子供たち 」を朝の通勤電車で読んだときは、ブルーになってその日の午前中に行われた会議には身が入らなかった。
本書はストーリーにはスピード感があり、結論がすっきりしていて、登場人物も救われるストーリーが多いので通勤電車における娯楽としてはお手軽であり、適している。
小説で取り上げられているのは、地域通貨、レイヴパーティ、ホームレス襲撃、非合法売春スナックと突き詰めればいくらでも重たくなるテーマでありながら手軽で上質な娯楽に仕上げられている。
スカッとした楽しみを求めている方はぜひ。
☆☆☆(☆三つ)
余談になるが、本Blogでレビューした読後感の悪い小説はこちら
闇の子供たち
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-01
彼岸の奴隷
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-29
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