江戸の人情が生き生きと感じられる:本所深川ふしぎ草紙 [小説]
宮部みゆきの時代小説。
筆者の創作した「深川の七不思議」でつながれた、7話からなる連作短編集である。
【目次】
片葉の芦
送り提灯
置いてけ堀
落葉なしの椎
馬鹿囃子
足洗い屋敷
消えずの行灯
この中で私の一番のオススメは「片葉の芦」
貧乏人に対して、人間の尊厳を保つことを要求し、厳しく生きていくことを要求する繁盛店の主と施しを行いやさしさを見せる娘。
主人公は最初娘の対応に心を惹かれていたのだが、周りの人と話す中で本当に自分のためになったのはどちらであったかが分かってくると言うストーリー。
困っている人には魚を与えるのではなく、魚釣りの技術を教えるべきだ。と言うのはよく言われことだが、それを江戸時代の話をテーマにして分かりやすく、面白く書いているのはさすが。
その外の6話も人情味あふれる作品で、江戸下町の雰囲気がよく出ているすばらしい作品ぞろいである。
宮部みゆきは現代物のほうが有名だが、時代物でもすばらしい作品が書けることがよくわかる。
☆☆☆★(☆三つ半)
他のブログの反応はこちら等。
よい反応が多いのですが、宮部みゆきの紹介として本書で吉川英治文学新人賞を受賞と言う、受賞歴の説明に使われることが多いのが残念。
現代物に比べると宮部みゆきとしては上がっているエントリが少ない気がします。
http://blogs.yahoo.co.jp/su_ki_ma_kaze/53425198.html
http://d.hatena.ne.jp/haruko41/20080521/1211693704
http://d.hatena.ne.jp/tentensuke/20080217/1203259667
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お久しぶりです。
今度読んでみます。
by mistta (2008-06-08 23:30)
>misttaさん
コメントありがとうございます。
本書も結構オススメですよ。宮部みゆきは現代物だけでなく、時代物もオススメです。
by book-sk (2008-06-09 22:01)