SSブログ

前向きで、明るいパワーがあふれている:終末のフール [小説]


終末のフール

終末のフール

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本



8年後に地球に小惑星が衝突して世界は滅亡する。
その衝撃の事実が分かってから、5年が経過し、当初の混乱からひと段落した嵐の合間を、直木賞辞退で話題になっている伊坂幸太郎が描く連作短編集。舞台はもちろん仙台だ。

【目次】
終末のフール
太陽のシール
篭城のビール
冬眠のガール
鋼鉄のウール
天体のヨール
演劇のオール
深海のポール


地球滅亡を三年後に控えた、仙台のマンションを舞台にした連作短編集。
それぞれに、異なるマンションの住人が主人公となり、最終話の「深海のポール」で感動のラストを迎える。

伊坂幸太郎らしく、終末が決まったのに、前向きで、能天気で、明るい登場人物ばかり。確かに、リアリティには欠けるが、読んでいるだけで前向きな力を得ることが出来る。
朝の通勤電車で読んでいるだけで、その日一日の活力を得ることが出来る作品である。

私が一番好きなのは「鋼鉄のウール」。人間の弱さと、それを克服できる意志の力が現れており、読んでいて感動しっぱなしだ。
「おい俺、俺は、こんな俺を許すのか?」

キャラクター自体が好ましいのは「冬眠のガール」。短編の主人公には惜しい、味のある女の子が主人公である。普通の作家ならこのキャラクターだけで4~5作書けそうなのに、短編で惜しげもなく使い切る伊坂幸太郎の才能は、さすがだと思わずには居られない。

一番嫌いな作品は「篭城のビール」だが、それも、登場人物がいい人過ぎて反感を抱くと言う、余り感心しない理由である。普通に読んでいる分には、どの作品も標準以上に面白いので、未読の人は安心して手にとってほしい。
伊坂幸太郎らしさが十分に味わえる作品である。

☆☆☆☆★(☆四つ半)

それにしても、「ゴールデンスランバー」が直木賞を辞退したのは残念。エントリしていれば、鉄板で受賞していたはずなのに。





他のブログの反応はこちら等。
皆さん結構高評価。若い人が多いような印象を受けました。
女性ファンが多そうなのも、伊坂幸太郎の特徴ですよね。
http://hiiron.sunnyday.jp/sb/log/eid1271.html
http://blog.goo.ne.jp/enchaine/e/ffb43636b32338097f5f7cb8fefeea9e
http://39mirai.jugem.jp/?eid=1009
http://plaza.rakuten.co.jp/airhead39/diary/200806270000
http://united22kuc.blog86.fc2.com/blog-entry-149.html
http://skyseablue.cocolog-nifty.com/book/2008/06/post_f82b.html
http://yaplog.jp/diary-mikumo/archive/172



カスタム検索

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。