軽いタッチの連作短編集:イン・ザ・プール [小説]
精神科医に訪れる客を主人公にした連作短編集。
軽く・コミカルに書かれているため、サッと読めるが、ちょっと深いところもあり、非常に面白い。
【目次】
イン・ザ・プール
勃ちっ放し
コンパニオン
フレンズ
いてもたっても
奥田英朗が描くコミカルタッチの連作短編集。
本書のメインキャラクター伊良部は精神科医(本書では神経科)。だが、注射フェチで、いい加減。
訪れる患者達を放置するどころか、一緒に悪ノリし、一般的な治療らしい治療は行わない。それでも、患者達は憑物が落ちたように、元気になり、人生が好転すると言うストーリー。
本当に精神科に通院している人には不謹慎に思える箇所もあるのかもしれないが、この世の中ではどこかしら病んでいる人が多いのだし、気にしすぎるのは良くないのかなと思えてくる。
人生を楽天的に生きることの重要性についても、ちょっとだけ、思いを馳せてしまう。
私が本書の中で一番気に入ったのは、「フレンズ」。「勃ちっ放し」も悪くない。
逆に、いまいちだったのは「いてもたっても」。ほかと比べて、ちょっとラストが締まらないように感じられた。
「最悪」等とは若干雰囲気は異なるが、筆者の実力が出た、軽く読めるけど面白い短編集である。
☆☆☆★(☆三つ半)
映像化もされているようです。
他のブログの反応はこちら等。
続編の「空中ブランコ」とセットで言及されているエントリが多かったです。
私も「空中ブランコ」は是非読んでみたいです。
http://mercyboku.blog95.fc2.com/blog-entry-4.html
http://koharu02.exblog.jp/8189218/
http://blog.hikaru.raindrop.jp/?eid=762174
http://blog.goo.ne.jp/pichan0301/e/f4270f6d1bfc77458fb258bfc25caa25
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