いまや常識となったプロレスの裏側:マッチメイク [小説]
プロレスをテーマにしたミステリ。乱歩賞の受賞作。
巻末の参考図書にもあるように、「流血の魔術 最強の演技―すべてのプロレスはショーである」から多く影響を受けているのが分かる。
本書はプロレス団体における殺人事件を扱ったミステリ。
アントニオ猪木を髣髴とさせる団体のスターが、リング上で毒殺されることから始まり、プロレスラーの強さを信じていた団体の新入りレスラーが、プロレスの裏側に直面しながら、真相に迫るミステリ。
ネタバレを防止するために、詳細は語らないが、オーソドックスなミステリに対して、プロレスの迫力で味付けがなされていて手堅くまとまった作品である。
1993年の作品だけあって、プロレスに関する記述が若干古臭い。ただ、ミステリの部分に対しては影響はないし、レスラーの心情・迫力に関する描写が弱くなるわけではないので、今でも十分に楽しめる作品である。
ただ、乱歩賞と言う大きな賞でデビューしており、作品を見ても今でも十分に楽しめるぐらい立派な作品なのに、筆者の作品は本書を含めて二作しか出ていない。
作家と言う職業の厳しい現実を垣間見ることが出来る皮肉な現象でもある。
☆☆☆(☆三つ)
他のブログの反応はこちら等
意外と反応があるようです。私の受けた感想と同じく、荒削りなところがあるものの、端にも棒にもかからないと言うわけではなさそう。
http://yomimakuri.seesaa.net/article/89341971.html
http://booktoo.seesaa.net/article/95590404.html
http://tariki009.blog26.fc2.com/blog-entry-443.html
http://plaza.rakuten.co.jp/heityuu/diary/200807020000
http://blogs.yahoo.co.jp/osakatomas/49316980.html
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