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二作目でも軽い笑いは健在:空中ブランコ [小説]


空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)

空中ブランコ (文春文庫 お 38-2)

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/01/10
  • メディア: 文庫



前作:「イン・ザ・プール」のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-07-08

奥田英朗の第131回(2004年度上期)直木賞受賞作。
前作同様、主人公の伊良部が引き起こす軽い笑いは健在である。


【目次】
空中ブランコ
ハリネズミ
義父のヅラ
ホットコーナー
女流作家

前作イン・ザ・プールの面白さをそのままに、新たな短編が加わったと言う印象を受ける本書。
表題作の「空中ブランコ」では、体重100キロを超える伊良部が空中ブランコに挑戦すると言う、ばかばかしくも笑える作品になっている。

本書の中での、私のオススメは、「義父のズラ」。ちょっとした悪戯をやってみたいという、誰にでもありそうな衝動が病的なまでに高まった、学生時代の友人である同業の医者に対する伊良部の無責任とも的確ともいえる体当たりの処置が笑いを誘う。
本書は「イン・ザ・プール」にあった、若干深刻な場面がなくなっており、純粋に笑いが楽しめるのも特徴。
そういった本書の性質が一番現れているのが「義父のズラ」だと思う。

そのほかにも、二番目に好きな「女流作家」もオススメ。小説家の苦悩を描くにしても、東野圭吾の「超・殺人事件―推理作家の苦悩 」とは違った笑いと救いがある。
東野圭吾と比べると、作品自体は奥田英朗の方がかっこつけの印象を受ける。どっちがいいとか悪いとかではなく、単に好みの問題であるが。

本シリーズは安定して笑いの楽しめる傑作であり、次の「町長選挙」も期待せずには居られない。

☆☆☆★(☆三つ半)




他のブログの反応はこちら等。
軽く読める笑いある小説と言うことで、評価しているエントリが多いようです。
爽快感と笑いを求める人にはオススメできるとする評価が多いように見受けられました。
http://blog.livedoor.jp/kazunari2/archives/51323814.html
http://blog.goo.ne.jp/taipo13rikipo9/e/b0819c81cb4ebb9bba3e2694df09974b
http://sukida.blog.drecom.jp/archive/120
http://blog.goo.ne.jp/since2007_1984/e/64ad66a3c632a61a92056d4874727dfd
http://rissa.way-nifty.com/weblog/2008/07/post_6155.html
http://haguregumo.blogzine.jp/blog/2008/06/post_98df.html
http://ameblo.jp/beseen/entry-10110824168.html



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コメント 2

KAZUNARI

TBありがとうございました!
奥田さんの作品はまだそんなに
読んでませんがこれで一気にファンに
なってしまいそうです・・「義父のヅラ」
最高ですね!
by KAZUNARI (2008-07-13 22:29) 

book-sk

>KAZINARIさん
コメントありがとうございます。
奥田作品でもこのシリーズは若干方向が違うのですが、面白いですよね。
サウスバウンドのような作品も面白いのですが。
by book-sk (2008-07-14 22:11) 

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