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失敗続きの人がたどり着いてほしい本:投資戦略の発想法2008 [投資・マネー]


投資戦略の発想法 2008 (2008)

投資戦略の発想法 2008 (2008)

  • 作者: 木村 剛
  • 出版社/メーカー: ナレッジフォア
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: 単行本


木村剛の投資戦略の発想法最新版。
内容もたっぷりある良書である。

【目次】 はじめに 日本で資産運用するのは難しい?
第1部 準備編―これができなければ投資家失格(まずはバランスシートを作りましょう;財産形成のための基礎を構築しましょう;あなたのポートフォリオの中核は仕事です;住宅ローンはどう考えるべきなのでしょう)
第2部 理論編―財産形成のために知っておきたい投資理論(経済学は万能なのでしょうか?実戦で役立つ投資理論を学びましょう;行動心理学で損失を回避しましょう)
第3部 戦略編―絶対に負けない投資戦略(五分割ポートフォリオを会得しましょう;株で負けないシンプルな戦略を学びましょう;経済変動をこの方法で乗り切りましょう)
第4部 戦術編―最小限の手間でできる財産防衛術(あなたの財産を自己防衛しましょう;うまい話に惑わされない護身術)


本書の特徴は目次を見れば分かるように、投資とは何かを知らない人が、豊かな人生を送ることが出来るようにするための資産設計のイロハを分かりやすく詳細に書いていることである。
タイトルが「投資戦略」となっているが、投資オンリーの本ではなく、社会人としてどのように資産を築いていくかについて、しっかりと書かれている。
そのため、しょっぱなから投資の細かい話(どの株がいいかとか、外貨投資の割合はとか)が出てくるのではなく、「準備編」として自らのバランスシート、キャッシュフローの把握から、生活防衛資金を準備して投資生活のスタートラインに突くまでの基本的な考え方が分かりやすく書かれている。これは高感度が高い。

第2章以降の投資の話でも、投資家としてちょっとでも最善を目指そうとするのではなく、社会人としての片手間で、負担にならないようにゆっくりと金持ちになるという思想が徹底されており、安心して読むことが出来る。
みんなの投資 投資信託でゆっくり確実に資産をつくろう!」(これももちろん良書)と比べると、そのあたりははっきりしており、細やかなリバランスや海外・国内の細やかな割合などは本書ではこだわっていない。そんなことよりも、大きな方針をはずさないほうが大事と言うのが木村剛の主張なのであろう。

上記のように、本書が一番威力を発揮するのは新社会人や大学生のように、これから働き始める人にとってであろう。ただ、全くの初心者には分量・価格の面で若干厳しい気がする(私に大学生・新社会人の知り合いが居ればプレゼントするだろうが)。それよりも、今までにデイトレードに手を出したり、怪しい仕組み債・複雑な商品で痛い目にあった人が本書を手に取ってくれればと思わずには居られない。
本書の大きな思想に、無理なく・ゆっくりお金持ちになるというのがすえられており、詐欺・搾取に引っかからないための助言がいたるところにちりばめられているので、一回痛い目を見た人が、正しい投資を知る上では最適だからだ。

タイトルは「投資戦略の発想法 2008」だが、続き物ではないので、本書から読んでも差し支えは無い。これから投資の道に入る人や投資の道で迷っている人には最適の羅針盤になるので、是非読んでみてほしい。

☆☆☆☆(☆四つ)

本書では、その他に参考になる良書として15冊が挙げられている。私が読んだことがあるのはこの中の6割ぐらい。そのときの感想から言うと、確かに良書だ。
本書には、推薦の理由も書かれているが、それを引用することはさすがにまずそうなので、自粛する。
1.「敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか
2.「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
3.「インデックス・ファンドの時代―アメリカにおける資産運用の新潮流
4.「ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け
5.「ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学
6.「株で富を築くバフェットの法則 「新版」世界最強の投資家に学ぶ12の銘柄選択法
7.「お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール
8.「ファンドマネジメント―マーケットの本質と運用の実際
9.「投資は世のため自分のため 長期運用の先に広がるおもしろい世界
10.「投資信託にだまされるな!本当に正しい投信の使い方
11.「内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法
12.「貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵
13.「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方
14.「金持ち父さん貧乏父さん
15.「リスク〈上〉―神々への反逆 」、「リスク〈下〉―神々への反逆

逆に「失礼ながらその投資本では儲かりません」と題したコラムでは、オススメできないものとして以下のものがあげられている。逆にお笑いとして読みたくなるような本ばかりだw
1.「働かないで年収5160万円稼ぐ方法
2.「個人投資家のための信用取引自由自在
3.「スベらない株式投資―4年間負けなしの僕が実践してきた33のルール
4.「お金の脳トレ―たった4つのステップで、あなたも億万長者になれる!
5.「テクニカル分析&キャリートレードで儲けるFX
6.「FXで月100万円儲ける私の方法
7.「仕手株でしっかり儲ける投資術
この7つのうちには、複数の本を書いている著者が居たり、「実戦編」と銘打った続編が出ていたりする。意外とダメ本にだまされる人が多いことがわかってびっくり。こういう現実を見ると、木村剛氏が過剰なまでに心配するように、詐欺・搾取に対する対策をしっかりすることが重要になってくるのだろう。





他のブログの反応はこちら等。
やっぱり全うな本だけあって、反応も普通にためになるというものが多い。
まっとうすぎて面白みにかけると言うのが唯一の贅沢な弱点か。
http://exneet.blog58.fc2.com/blog-entry-825.html
http://mattari.justblog.jp/blog/2008/07/2008-f91e.html
http://blog.wcrawl.com/archives/_2008.html
http://bestbook.livedoor.biz/archives/50401487.html



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