SSブログ

日本の高等教育の質が低いのが問題では? [opinion]

増田より:教育費が嵩むようにするだけで簡単に社会を断絶させることができる
http://anond.hatelabo.jp/20081123132348
現状、東大に入学できる学生のほとんどが高所得世帯出身である事実は否定できない。
公立学校で教育を受けても十分な教育が受けられず東大を初めとする一流国立大学の入試対策ができない。
入試対策が充実している公立高校に入ろうとすると、このような公立高校入試の対策をするために塾に行かなければならない。

どんな経路を辿るにせよ、日本で最高水準の教育を受けようとすると物凄く高コストになる。
欧州のように無料で大学教育をするのは日本では不可能に近い。
すると、どうなるか。社会の支配階級になることができるのは富裕層に限定される。
富裕層は当然ながら経済的貧困を経験したことが無い。だから、貧困層を救うのに経済政策として 何が必要なのかを判断する事ができない。また自らの生存を脅かすものを自力で排除する経験に乏しいので、 貧困層が学識を積み重ね、能力を磨いて富裕層の仲間入りをすることが最初から不可能な制度を作り上げようとする。

高学歴層=富裕層であり、中流以下の所得層や貧困層に属する人間たちは 富裕層から見るとウイルスに感染した別の生物のような存在である。
だからこの日記こんな日記が出現する。
根底にあるのは、中流以下の所得世帯=中学歴以下の層=カビを研究する富裕層=高学歴層=微生物学者の視点である。


ここでは、日本の教育費用が高いから貧困層が高い教育を受けるのは難しいとしている。確かにそれは一理あるのだが、私はそれよりも、日本の高等教育の質が低く、コストに見合っていないため、定収入の層が借金というリスクを負ってまで高等教育を受けないのだと思う。

日本で一番のネームバリューを誇る東大を例にとると、学部・大学院の入学金が282,000円、授業料は年間535,800円である。

大学までの4年間をストレートで卒業するのに必要な入学金・授業料は2,425,200円。大学院まで行けばさらに1,353,600円が必要となる。
ちなみに、大学時代の費用242万円を年利3%で借りて、5年間で返済するとなると、月の返済額は約4万3千円になる(すごく大雑把な計算です)。

こうしてみたときに、授業料のコストパフォーマンスは低くは見えないだろうか?
ちなみに、上の計算には生活費は全く入っていない。さらに、教科書代や就職活動に必要な費用も含まれていないため、実際の費用はもっと高くなる。
また、収入は東大を出ても平均的には2~3年目で年収500万前後が良いところでは無かろうか?外資系に行ったりしてもっと稼ぐ人はいるだろうが……。
こうした状況を見ると、私には決してコストパフォーマンスが良いとは思えない。

日本は欧州より米国に近いと言われるが、米国の高等教育はもっとコストパフォーマンスが良いのではないだろうか?
私の友人の米国でMBAを取得した人によると、授業料は確かに高いけど、卒業後は最低でも1,000万円前後の収入になるので十分にペイすると言っている人がいた。
上の話の真偽は分からないが、米国では自分の収入をアップするために、ローンを組んで大学や大学院に進学する人が結構いるらしい。

それと比べると、日本は妙に平等なところがあるので、高等教育が短期的な収入につながらない。長期的・平均的に見ると、高等教育は一定程度の収入につながるのだろうが、借金という形でリスクを負ってまで高等教育を受けるまでのインセンティブにはなっていない。

もっと日本の高等教育が収入に直結するという意味で、コストパフォーマンスに優れていれば、一度社会に出た低収入層の人がローンや奨学金という形で大学・大学院に進むケースが増えるのではないだろうか?
日本の財政状況では、教育関連支出が大きく増えることは望めない。そう考えると、産業界と大学の努力によって、教育をもっと直接的に収入に結びつけるようにすれば、階層を乗り越える努力をする人が増えるのでは無いだろうか?

これがベストの解ではないと思うが、今の状況を見ると、次善策の一つにはなるのでは無かろうか?
せめて、日本の(上位)大学・大学院を卒業した人が、米国の有名大学卒と同じぐらいに稼げるようになればよいのだが……。

特に大学の人は、多くの学生のニーズが卒業後の収入アップにあることを考えてほしい。マニアックな専門知識を身につけるニーズは多くない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。