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一面的な見方は危険がいっぱい:知的複眼思考法 [自己啓発]


知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

  • 作者: 苅谷 剛彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 文庫



最近はマスコミのステレオタイプなものの見方がネットでたたかれることが多くなってきた。
しかし、ネット世界の住民でも、ある問題についてはステレオタイプなものの見方をしてしまう人は多い。
そうしたステレオタイプなものの見方の危険性を示すとともに、いろんな角度から物事を考えられる様になるための訓練手順をわかりやすく示したのが本書である。

【目次】
序章 知的複眼思考法とは何か
第1章 創造的読書で思考力を鍛える
第2章 考えるための作文技法
第3章 問いの立て方と展開のしかた――考える筋道としての〈問い〉
第4章 複眼思考を身につける


本書は、出版当時、大学4年生へのアンケートで「ベストティーチャーズ」に選出された東大助教授の筆者が、ものの見方・考え方について解説した本である。
タイトルに「知的複眼思考法」とあるように、ステレオタイプなものの見方の怖さを示した上で、いろいろな角度から物事を正確に考えることができる様になる技術を解説している。

筆者が本書で指摘する、ステレオタイプなものの見方の怖さは、思考停止に陥って物事を深く考えられないようになることや、物事の本質を理解できずに適切な対処を取ることができなくなることなどが挙げられている。

これに対して、筆者は「第1章 創造的読書で思考力を鍛える」では正確に物事を把握すること、「第2章 考えるための作文技法」では論理的に考えること、「第3章 問いの立て方と展開のしかた」では本質をつかむために考える方法を記して、物事をいろいろな角度から見ることによる対策を伝えてくれている。

本書は、「ゲーム脳の恐怖 (生活人新書)」よりも昔に出版されているのだが、「知的複眼思考法」がもっと多くの人に浸透していたのなら、ゲーム脳のようなトンデモ理論は即座に信用できないことを見抜かれ、否定されていたであろう。

このように本書は、物事の考え方を身につけるという本来の用途に加えて、疑似科学・インチキ宗教等にだまされにくくなる効用も見込むことができる。
筆者は大学の助教授なので、高校生・大学生にはもちろんオススメなのだが、インチキ理論、勢いだけの主張を見抜くことができる様になるという意味では、社会人にもお勧めできる内容である。

それにしても、本書で取り上げられているステレオタイプなものの見方の例で、新聞からの引用が結構存在するのには笑えてしまう。

☆☆☆☆(☆四つ)


他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://shalnerk.blog72.fc2.com/blog-entry-190.html
http://toshiki-kanamori.blogspot.com/2008/11/blog-post_20.html
http://amonraman.blog79.fc2.com/blog-entry-22.html
http://d.hatena.ne.jp/m2r/20081023/1224801907
http://d.hatena.ne.jp/suika_1106/20081206/1228553639
http://d.hatena.ne.jp/ooolong/20070514/1179146241
http://shinshu.fm/MHz/06.66/archives/0000256909.html

定番の本らしく、かなり評価が高い。
内容が素晴らしいことに加えて、利用しやすい汎用性もあるため、高評価のエントリが多くなるのだろう。







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