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マネープランは何歳まで考えていますか?:退職金は何もしないと消えていく──60歳から「経済的自由」を手にする投資勉強法 [投資・マネー]





高齢者に投資を勧めるなんてとんでもない。
このように考える人も多いだろう。一般的な投資本にもリタイアしたら、積極運用に回す比率を少なくするべきだと書いてあることが多い。
しかし、本書は、本当にそうした考えで良いのかを考え直す材料になる。
【目次】
第1章 「団塊の世代」は逃げ切れるか?
(すれ違う定年夫婦の理想;夢を語る男、現実を生きる女;学生時代から老後を心配する国!? ほか)
第2章 人生を左右する「五つのリスク」
(五つのリスクで資産運用を考える;長生き、医療費、インフレの不安;リスク(1)思った以上に長生き ほか)
第3章 経済的自由を掴む資産設計術
(「退職金」はどこへ行った?;使い道と運用のミスマッチ;「投資は余裕資金で」の落とし穴 ほか)


マネープランを考えるに当たっては、その年に必要となる支出(結婚、出産、子供の学費 等)とその年に見込まれる収入、金融資産の利回りをエクセルで記入していくやり方が一般的だと思う。
私が会社の講習で聞いたやり方もそうであった。

そのときにマネープランは何歳まで考えただろうか?
フォーマットによっては、退職する60歳か、年金受給年齢の65歳までしか考えられていないものも多いはずだ。
しかし、60歳時点での平均余命は男性22.54歳、女性28.06歳。65歳時点の平均余命は男性18.56歳、女性23.59歳。退職後の人生は退職金と年金で乗り切るにはあまりにも長い。そして、皮肉なことにあまりにも長い期間であるが故に、長期運用が可能にもなっているのだ。

一番の理想は退職までに十分な資産を築き上げ、国債や預貯金で悠々自適の生活を送れることだろう。
しかし、退職金の支給年齢は今後どんどん引き上げられるであろうし、医療費の本人負担分だって、国家財政を見れば引き上げるしかないのは容易に想像がつく。
そうしたときに、運用なしでゆとりある老後を過ごせるのだろうか?
筆者が言うように真の格差社会は老後にやってくるのだ。


公平を期すために書いておくが、筆者はフィデリティ証券の人間なので、ポジショントークが入っていることは否めない。今の日本では若者に資産が回らない仕組みになっているので、老人をターゲットにした資産運用の営業が行われるのも当然だ。

しかし、そうした背景を差し引いても、私は老人が資産運用をすることに肯定的だ。
政治力のある老人に、資産運用という形で若者と利害をともにしてもらわなければ、日本の景気はますます政治によって歪められてしまうであろうから――

☆☆☆(☆三つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.livedoor.jp/crackerjack2007/archives/55191324.html
http://blogs.yahoo.co.jp/keijinmon/26780712.html
http://drumsets.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-bcf4.html
(ネガティブな評価のエントリ)
http://fund.jugem.jp/?eid=941

内藤忍さんもエントリを書いておられます
http://www.shinoby.net/2008/12/post-1601.html

フィデリティ証券の筆者ですが、自社の商品を勧めることはなく、オーソドックスな運用を推奨しているところは好感が持てます。ただし、資産運用についての目新しいところは少ないので、本書の一番の見所は60歳以降の人生の長さを実感をもって再確認すると言うところになるでしょう。







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コメント 2

へぼ株おじさん

定年退職後の失敗もありますよ。
たまには、私のブログにも遊びに来てくださいね。
リンク貼れましたら、よろしくお願いします。

by へぼ株おじさん (2009-02-09 20:29) 

book-sk

定年退職後の失敗は確かにあり得ます。
そうならないために、若いうちから準備・勉強して、頭が働かなくなる
70前後までは現役でいるのが良いのでしょう。
by book-sk (2009-02-09 20:57) 

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