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パワーが落ちてきているのかも:楊令伝 八 箭激の章 [小説]


楊令伝 八

楊令伝 八

  • 作者: 北方謙三
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/01/26
  • メディア: 単行本



第1巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07
第2巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-06-15-2
第3巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-07-12
第4巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-08-31-2
第5巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-11-12
第6巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-11-15
第7巻のエントリはこちら
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2009-01-27-1

楊令伝の第八巻。
梁山泊軍と禁軍の戦いがいよいよ始まり、犠牲者も多く出ている。
本来だとクライマックスのはずなのだが……。なんだかしっくりこないものも感じる。

梁山泊と、宋禁軍の戦いが始まり、激戦の名に違わず歴戦の勇者が次々に戦死する。
代表的な戦死者は、「箭激の章」という副題につながる、没羽箭:張清や、いろいろと困難を課されてきた扈三娘あたりだろうか。

最初に、北方水滸伝を見たときは、あのぐちゃぐちゃしたストーリーをうまく再構成したものだと感心した。
しかし、水滸伝が終わり、楊令伝に入ってからはだんだんマンネリを感じるようになってきている。特に、有名な人物が死ぬことが多くなってからは、筆者独特のくどさを感じる。
もちろん、これが筆者の持ち味なので好きな人は好きなのだろうが、若干バリエーションに乏しいイメージも受けてしまう。

シリーズ途中で読むのをあきらめるほどひどくはないのだが、以前のように新鮮な驚きが減ってきているのは残念である。

話変わって、本書で一番印象深かったのは、北方謙三の人物育成観とも言うべき記述。
「人の器は生まれつき決まっている」と言う表現が見られたり、将軍の育成は、古参の将軍の副官に当ててOJTを行うことはあるものの、決して体系立った教育・指導はなされない。
人を育てるという意識は梁山泊側、官軍側ともに存在しない。両者とも、実践の中で、自分が持っている者が開花して将軍としての仕事をするようになるのだ。

今の日本企業でもそうした考えの企業は多いと思うが、団塊の世代の筆者が持っている教育観がにじみ出ていて面白い。
仕事は教わるんじゃなく、盗むんだという古い感覚が透けて見えるようである。

☆☆☆(☆三つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.livedoor.jp/tiga_seven/archives/581710.html
http://d.hatena.ne.jp/rou_24/20090128/1233161995
(微妙な評価のエントリ)
http://ameblo.jp/zatsudoku/entry-10201951624.html

いろいろな評価が入り乱れているが、ここまで読んだし、最後は気になるので読み続けますよ。
ええ、読み続けますとも。







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