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単なる低質なエッセイ:若者はなぜ正社員になれないのか [エッセイ他]


若者はなぜ正社員になれないのか (ちくま新書)

若者はなぜ正社員になれないのか (ちくま新書)

  • 作者: 川崎 昌平
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2008/06
  • メディア: 新書



タイトルから見ると、世代論・労働政策論に見える。
しかし、内容は単なるエッセイ。
こんな内容は文庫にするべきで、新書にしないでほしい……




【目次】
序章 定職がほしい
第1章 とにかく落ち続ける
第2章 「やりたいこと」が見つからない
第3章 面接という名の地獄
第4章 ハローワークへ行こう
第5章 ウチで働いてみませんか?


本書は、芸術大学を卒業し、2年間就職していなかった筆者が就職活動をして、その様子を誇張たっぷりに綴ったもの。

本書は、既卒者が就職活動をするについてのノウハウもないし、筆者の無職生活は余裕がありつらさも感じない。就職の条件が比較的良かった時代の就職活動を描いているので、こんなタイトルを付けるのは、ハッキリ言って、就職氷河期の若者に対して失礼だと思う。

本書は、労働・社会について論じた実は全くない。

それでも文章が面白ければ救いようがあるのだが、それもたいしたことがない。
外連味たっぷりの文章を目指しているのだが、すべりまくっていてかえって寒々しい。
森見登美彦ぐらいの文才があれば、非常に面白くなったのだろうが……。というか、森見登美彦がモテ無い男じゃなく、無職に悩む男を書いたら面白そうだと思う。

このように関係のないことを考えてしまうぐらいどうでも良い一冊。
新書で、このタイトルで、こんな内容の本を出すのはハッキリ言って迷惑だ。

☆(☆一つ)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://ahirunoshukatsu.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-aacf.html
http://picolog.at.webry.info/200901/article_31.html
http://d.hatena.ne.jp/lloigor/20080911/1221498320
http://blogs.yahoo.co.jp/fwhd26/54241029.html
(ネガティブな評価のエントリ)
http://ameblo.jp/junn-411334/entry-10228849700.html
http://asydino.livedoor.biz/archives/51098339.html

賛否両論あることに驚いた。
人それぞれなんだとはおもうけど、私はこういう本は「新書」というジャンルの寿命を縮めるだけだと思うんだが。








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コメント 3

ぐーたら雄

なかなか手厳しいですね。

半世紀近くも生きてしまった私は、1冊読むのに費やした時間を無駄であったと切り捨てたくない。

たとえ紙資源の浪費としか思えない書籍であっても!
何らかのプラスを汲み出そうと試みたのが私のエントリです。

「正社員になれない若者を能動的に選択したのか、受動的に落ちたかが大きく違う。よって解答が間違っているのではなく、問いそのものの根源が間違い。」

と別のところでは評させていただきました。
この書籍は資源の浪費に属する一冊であるとは思います。
by ぐーたら雄 (2009-04-01 09:31) 

book-sk

> ぐーたら雄 さん
コメントありがとうございます。
何らかのプラスを見いだそうとすれば、そうなるんだと思います。
ただ、資源の浪費であることもまた事実ですよねぇ。
by book-sk (2009-04-01 22:11) 

井上

はじめまして。
CAMPというイベントを企画運営している井上と申します。
ご迷惑?をおかけしている川崎昌平の展覧会を開催しています。

もし、ご興味がありましたらぜひ。

*****
川崎昌平「冷たく軽い城」
*****

■アン・シャーリー(赤毛のアン)はあらゆる事象に自ら命名を施すことによって、対象との距離をコントロールしようとした。その目的はおそらく、イメージの励起にあると思われる。物体へのイメージを増幅させる手法として、命名という行為を重んじ、そして楽しんだのである。
■書くという作業にも、似たところがある。さりげない、見落とされがちな相手を、文章によって描写するプロセスには、思考があり、興奮があり、そして歓喜がある。そうして編まれた「書かれたもの」は決してイメージそのものではないが、しかし、イメージのための準備として機能し、あるいはまた、読み手に、聞き手に、語り手に、絶え間ない愉悦の時間を与える可能性がある。(川崎昌平)

会期:2009年4月4日(土)〜5月3日(日)
時間:12:00〜19:00(土日祝は18:00まで)
会場:Otto Mainzheim Gallery(東京都中央区八丁堀3-11-9-B1)
入場料:無料(予約不要)

【 詳細 】
http://ca-mp.blogspot.com/2009/03/exhibition-0404-0503.html
by 井上 (2009-04-05 13:37) 

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