高校生の時に読んでいたかった:日本人の英語 [自己啓発]
人生の中で一番英語を勉強した高校生の時代に読んでおきたかった本書。
もちろん、今読んでも全然遅くない。
それだけ価値のある本なのだが、それだけにもっと早く読みたかった気持ちが心のどこかに存在する。
【目次】 1.メイド・イン・ジャパン―はじめに 2.鶏を一羽食べてしまった―不定冠詞 3.あの人ってだれ?―定冠詞 4.間違いの喜劇―単数と複数 5.思いやりがなさすぎる―純粋不可算名詞 6.文脈がすべて―冠詞と複数 7.慣用の思し召し―さまざまな前置詞 8.意識の上での距離―onとin 9.「かつら」と「かもじ」―offとout 10.明治な大学―名詞+of+名詞 11.もっと英語らしく―動詞+副詞 12.点と線―完了形と進行形 13.泣き続ける彼女―未来形 14.去年受賞したノーベル賞―関係詞の二つの用法 15.アダルトな表現を目指して―先行詞と関係節 16.慎重とひねくれ―受動態と能動態 17.知識から応用へ―副詞 18.したがってそれに応じる―副詞と論理構造 19.「だから」と「だからさ」の間―接続詞 20.自然な流れをたいせつに―おわりに
日本人が理解しにくい、間違えやすい、無意識にトンチンカンなことをやらかしやすい箇所について、論理的にわかりやすく解説したのが本書である。
この、「論理的」な解説が本書の一番の魅力である。
私も高校時代英作文で「a」と「the」の区別がイマイチついていなかった。
学校や予備校の教師は「一つしかないものが『the』になる」と言っているのだが、それだけではイメージが掴みにくく、最後まで自信を持って理解することはできなかった。
ところが、本書を読むと「a」と「the」の使い分けはほぼ完全に理解できるようになる。思えば、高校の英語教師もこのあたりは理解できていなかったのではないだろうか。
筆者のように日本語を理解できる外国人だからわかるものがある――。
本書は高校生から社会人まで、英語を学ぶ人に必ず読んでほしい一冊である。
いろいろなところで絶賛されているのはそれだけの価値があるからである。
なお、オススメの対象に中学生を含めなかったのには訳がある。本書は1988年出版の岩波新書だが、明らかに今の新書とくらべて歯ごたえがあるのだ。新書ブーム以降明らかに新書の中身が薄っぺらくなってきているが、本書のようにちょっと昔の新書とくらべるとそれがよくわかる。
そうはいっても新書に違いはないので、高校生ぐらいになると問題なく理解できるのだが、今の新書のイメージで読むと若干戸惑うかもしれない。
☆☆☆☆★(☆四つ半)
他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://sorareadbooks.at.webry.info/200905/article_8.html
http://d.hatena.ne.jp/m_hayashi/20090321/english
http://d.hatena.ne.jp/hiroshi_kondou/20090215/1234648714
http://kitokou.seesaa.net/article/17270726.html
http://blogs.yahoo.co.jp/delicadelica2002/41754.html
私がこの本を知るきっかけになったのは、「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」さんのいかのエントリがきっかけ。
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2008/09/post-2b88.html
本書が出版されたのは1988年で、私が大学に入学したのは1995年。高校生当時すでに評判になっていてもおかしくない本なのだが、受験生の間でこの本の評判を聞いたことはなかった。
そう考えると、インターネットが普及したことの威力がよくわかる。良書は確実に良書としてその存在を知ることが出来るようになったのだから。
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こんにちは。
トラックバックありがとうございました。
私もこの本、もっと若い時に読みたかったです。
本書が放つ英語への情熱に背中を押してもらえたら、もう少し成績よかったかも。。。?
たまに覗かせて頂こうと思います。
また、私のブログにも遊びに来て下さい。
よろしくお願いします。
by そら (2009-05-30 07:39)
>そらさん
コメントありがとうございます。
本当に本書は高校・大学時代に読みたかった。
そういう感想を持つこと間違いなしですよね。
また、覗きに行かせてもらいますね。
by book-sk (2009-05-31 00:15)