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グローバリズム・アレルギーへの処方箋:グローバル経済の本質―国境を越えるヒト・モノ・カネが経済を変える [経済]


グローバル経済の本質―国境を越えるヒト・モノ・カネが経済を変える (Keiブックス)

グローバル経済の本質―国境を越えるヒト・モノ・カネが経済を変える (Keiブックス)

  • 作者: 伊藤 元重
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 単行本



世界同時多発テロ直後に執筆され、2003年に出版された本書。
世界金融危機の後で、自由主義・グローバリズムに対する逆噴射が見られる今だからこそ、是非読んでおきたい一冊である。

【目次】
九・一一テロで見えたこと―グローバル経済の深層
第1部 国境を越えるヒト・モノ・カネ
第2部 グローバル経済における産業と企業
第3部 国際経済システムの行方
第4部 グローバル化時代の経済戦略
世界経済とグローバル化の行方―国境を越える市場メカニズムの力
グローバル経済をより深く理解するためのキーワード解説


グローバル経済の発達により、日本の労働者は激安賃金が売りの中国・インドの労働者と真っ向勝負しなければならなくなった。また、企業は欧米・中国からの買収に対して目を光らせておく必要が出てきているし、農民は格安の外国産農産物の圧力に晒されている。

こうしたグローバル経済の厳しい側面を肌で感じ、アンチ・グローバリズムを主張する意見が見られるようになってきている。昨年の金融危機もそうした流れを後押しし、我が国独自の路線に引きこもろうとする論調が大手を振ってまかり通るようになってしまっている。

本書を読むと、そうしたアンチ・グローバリズムが誤った方針であることが腑に落ちる。
日本はグローバリズムによる害よりも益の方をはるかに多く受けているのだ。
その事実を重く受け止めて、じゃあ、グローバリズムが進む世界において日本経済はどのような方向を目指すのか?と言うことを議論するのが正しい姿勢だ。

グローバリズムにちょっとでもうさんくささを感じている人は、本書に目を通すべきだ。
日本経済の現状と行く末がきちんと考えられており、新たな視点を得ることが出来るだろう。

なお、付録的扱いの「グローバル経済をより深く理解するためのキーワード解説」は一読の価値が有る。経済問題になれない学生さんなんかには非常にお勧めできるパートだ。

☆☆☆★(☆三つ半)

他のBlogの反応はこちら等。
(ポジティブな評価のエントリ)
http://blog.livedoor.jp/tomoyuki_hokkaido/archives/51406229.html

結構いい本なんだけど、古いからエントリが消えていることが多いようだ。
今でも十分に通用する本なんだけど……





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