真のマネージャー像:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら [自己啓発]
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
- 作者: 岩崎 夏海
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 単行本
英語で”manager”だと、経営者・監督と言った管理する人というイメージが強いが、日本語で”マネージャー”だと、運動部の雑用係のイメージが強い。
これは筆者が後書きで書いている事だが、この発想から本書は生まれている。
基本はアイデア一発勝負なのだが、「マネジメント」に興味を持つには適している。
【目次】
プロローグ
第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを活かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた
エピローグ
あとがき
タイトルにもあるように、「マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]」を読んだ野球部の女子マネージャーが、弱小野球部を甲子園に導く物語。
小説の形態を取ってはいるが、ストーリー自体はありふれており、特筆すべきものは無い。高校野球が好きな人にはそこそこ感動的なストーリーと映るだろうし、高校野球や体育会的なものを嫌う人には唾棄すべきストーリーとして映るだろう。
小説としての出来はその程度だ。
そんなことよりも、本書の価値は、マネジメントの考え方に興味を持つことにある。本書はソフトカバーでライトノベル風の表紙をしているが、内容的にはブルーバックスや新書の仲間として、全くの初学者が有る分野に興味を持つための作りになっている。
そして、初学者がマネジメントに興味を持つための作品としては非常に秀逸な出来だ。
本書ならば、マネジメントを学んだことが無いどころか、組織人としての経験の少ない中高生もマネジメントにたいして、容易に興味を持つことが出来る。
さらに、本書の次に読むべき本が「マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]」として、具体的に示されているのも親切。
このように、マネジメントの入門書である本書。
野球が好きなら、小説部分も高校野球の持つ感動パワーで楽しく読めるだけに、問題なくオススメできる。
野球に興味が無くとも、マネジメントを学んだことがない人、マネジメントと言われてピンとこない人なら入門書としてオススメ。
但し、野球が嫌いな人、体育会が嫌いな人、野球のルールを全く知らない人。これらの人は最後まで読むことが苦痛だろう。特に野球のルールを全く知らない人は要注意。野球の初歩的なルールは本書の前提知識になっている。
☆☆☆☆(☆四つ)
本書でマネジメントに興味を持った人は、素直に本書の元ネタに当たってみるのが吉。
野球の常識を疑うことに興味を持ったのなら、こんな本もあります。
他のBlogの反応はこちら
(ポジティブな評価のエントリ)
http://d.hatena.ne.jp/toronei/20091224/H
http://buyo2ojisan.blog81.fc2.com/blog-entry-99.html
http://d.hatena.ne.jp/fulic/20091221/1261397590
http://batabin.livedoor.biz/archives/51596603.html
http://uni-col.269g.net/article/15161784.html
http://blogs.yahoo.co.jp/icscop/40580686.html
皆さん比較的高い評価なのだが、表紙の絵には苦言有り。
私も何度も書いているけど、電車の中で読めない表紙は基本的にマイナスだと思います。
はじめまして!!
リンク&トラバありがとうございます♪
確かにあの表紙はちょっとカンベン・・・ワタシは表紙を外して持ち歩きました(笑)。
by ブヨブヨおじさん (2010-01-05 23:26)
>ブヨブヨおじさん
コメントありがとうございます。
私も無地のカバーを掛けて持ち歩きました。
表紙と狙った読者層がマッチしているかどうかは疑問ですよねぇ。
内容はいいのですが。
by book-sk (2010-01-11 21:26)