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ビジネススキームの入門編:三国志で学ぶランチェスターの法則 [投資・マネー]


三国志で学ぶランチェスターの法則

三国志で学ぶランチェスターの法則

  • 作者: 吉田 克己
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2009/07/31
  • メディア: 単行本



表紙の絵は横山光輝の「三国志」に描かれている諸葛孔明。

本書は三国志のエピソードを導入に、実際の企業の例を交えつつ、ビジネス戦略を解説する構成を取っている。
なお、タイトルには「ランチェスター戦略」とあるが、その他のビジネス戦略にも触れられていて、その幅は広い。

【目次】
序章 「局地で戦え」―戦いの場は狭く
第1章 ガリバーの弱点を見つけて攻撃する
第2章 ガリバーのいない場所を狙う
第3章 一騎討ちならば勝てる
第4章 戦地を理解して戦う
第5章 戦わずして勝つ
第6章 ビジネスを生態系としてとらえるキーストーン戦略
第7章 表が無理ならば裏道から入る
第8章 戦う目的に私心があってはならない
第9章 時には陽動作戦が効果的
第10章 ガリバーとチャレンジャーの攻防


本書の目玉になっている「ランチェスター戦略」とは、大雑把に言うと、兵力の数が多く兵器の質が高いほど戦闘が有利になるという法則。第2次世界大戦の研究から生まれ、ビジネスの世界にも利用されているらしい。
詳細については、本書を見てもらえると、その雰囲気がつかめるだろう。

本書は、その「ランチェスター戦略」に対して、三国志のエピソードを枕にした解説を加えている。
前述の通り、兵数が多い方が圧倒的に有利なので、通常の決戦では兵力の多い魏が有利。その不利を補うために、局地的に兵力優位(あるいは豪傑の武力に頼った質の優位)を諸葛孔明が築いたシーンを中心にピックアップされている。

個々の内容については、実際のビジネスシーンにも活用できるもので、初心者にもわかりやすく解説されていて、入門の読み物としては良い出来になっている。
が、ストーリー毎の脈絡はなく、どちらかというと短編集に近い作りなので、体系的な知識を得るには向いていない。学術的な内容よりもビジネス実践を狙っているのだろう。

軽く読めるし、実際の企業の例も交えられていて、そういった方向の知識も身につく。
若手のビジネスマンなどに特にオススメできる内容になっている。

☆☆☆★(☆三つ半)

最後の付け足しとて、一つだけ難点を言うと、私は諸葛孔明は歴史上で過大評価されている人物の筆頭クラスだと思っている。口は達者だが、実力という面ではハッキリ言って、たいしたことがない。
なので、それをベースにしている本書も若干胡散臭く見えてしまう。
兵力優位のランチェスター戦略をテーマにするのなら、「天下人太閤秀吉に学ぶランチェスターの法則」とかの方が良いと思えるのだが……。


他のBlogの反応はこちら
(本書をポジティブに評価するエントリ)
http://aindahing.seesaa.net/article/167103405.html
http://plaza.rakuten.co.jp/ntin02/diary/201010200000/
http://d.hatena.ne.jp/hnamaizawa/20091008/p1
http://www.scratchbrain.net/blog/ver2/entries/001481.html
http://toriumi.jugem.cc/?eid=2077
(本書に微妙な評価をしているエントリ)
http://norafp.seesaa.net/article/127531644.html

人によって評価は様々。
ただ、わかりやすい初心者向けの内容は確かです。






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