仕分け対象にもならない日本の大悪:日本の聖域(サンクチュアリ) [社会]
雑誌「選択」の名物連載を書籍化。
本書を読むとコップ半分の水のたとえを思い浮かべる。
低迷している日本だが、これだけ改善の余地が残っていて先行きは明るい。のか、
これだけ無駄の多い国で先行きは暗い。のか。
【目次】
第1部 欲望が生み出す闇
入国管理局―知られざる光と影
諮問機関委員―「肩書コレクター」の玩具
生保「総代会」―こんな「お手盛り」がなぜ許されているのか ほか
第2部 とがめる者なき無為無策
日本最大の機関投資家「農林中金」―サブプライム汚染どこまで
学生のいない学校「国連大学」―外務省の裏金作りの道具に
国営「穀潰し」独立行政法人―これぞ「改革偽装」の典型 ほか
第3部 国民への背信行為は続く
厚労省「医系技官」―医療荒廃の罪深き元凶
瀕死の「国立がんセンター」―厚労官僚が「倒産の危機」に追い込む
食品安全委員会―役立たず「農水省の植民地」 ほか
日本の闇、暗部をまとめた連載を書籍化しただけあって、読んでいて悲惨な気持ちになってくる。
単なるサラリーマンの私は、こんなに食いものにされていたんだ、と言うことがよくよくわかる。かといって、すぐに改善できるような問題では無く、先行きは全く見えない難問ばかりだ。
雑誌の連載だけあって、読みやすいのだが、中身は意外と本質を突いている。
もっとも、私も全ての問題について自信を持って本書が正しいと断言できる訳ではないのだが、自分が近くにかかわっていたことがいくつかあり、その経験から照らし合わせると、クオリティは良い線に言っていると判断したのだ。
変な陰謀論を読むよりは、本書の方が身近で、しかも怖い。
どちらかというと学生さんよりも、社会の第一線でばりばりやっている人向けの一冊。
☆☆☆☆(☆四つ)
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しっかし、こういった問題に全く切り込むことの出来ない大手マスコミって存在価値が有るんですかねぇ……。
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