得体の知れない恐怖:新世界より [小説]
貴志祐介のファンタジー・ホラー
ファンタジーとしての設定も良いし、ホラーでデビューした人だけあって、得体の知れない恐怖をうまく描いている。分量が気にならないぐらい一気に読むことが出来る。
本書の設定は異世界。
超能力を使える”人間”と人間に使役されている知能を持った”バケネズミ”。
こんな危うい均衡を持った世界に生まれた、不安定な年頃の男女。
ファンタジー設定でリアルな感覚が欠けてもおかしくないのに、人間の設定がしっかりしているので違和感なく小説の世界に入っていくことが出来る。
読む前は分量に圧倒されたが、純粋なミステリともホラーとも違う本書
筆者の総合力が十分に発揮されているといえよう。
新作「悪の教典」が様々な賞にノミネートされて話題のようだが、文庫版が出た本書も未読の人は読んでみるチャンスだろう。
☆☆☆☆(☆四つ)
他のBlogの反応はこちら
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エントリがいっぱい。
人気作なんですね。
ちなみに、タイトルはドヴォルザークの9番が元ネタ。
文中にも効果的に出てきます。バックミュージックはこれの第2楽章しかあり得ません。
- アーティスト: ドヴォルザーク,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: CD
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