出だしがきつい:伯林蝋人形館 [小説]
第二次大戦前夜のドイツを舞台にした、連作短篇形式のミステリ。
ミステリとしては、十分なレベルなのだが、人を選びそうな作品。
本書が”人を選ぶ”理由としては、日本人に馴染みのない時代・国を舞台にしている上に、最初から全体像を見せる方式ではなく、徐々に謎が解き明かされていく方式を取っているためである。
そのため、序盤が非常に辛い。
人と人との関係も掴みにくいし、なかなか没頭できない。
早めに見切りをつけるタイプの読者なら、本書は途中で投げていることだろう。
中盤を過ぎると、だんだん全体像が見えてきて、謎がどこにあり、どう解き明かされていくのかがわかってくる。
そうなると本書は面白い。
私は初めて読む作家だが、直木賞受賞歴もある有名な作家の作品なので、どちらかというとファン向け(信じて最期まで読んでくれる人向け)なのだろう。
途中で投げ出さないタイプの人なら、読後は満足できる。
そんなタイプのミステリだと思う。
☆☆☆(☆3つ)
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やっぱり、筆者の固定ファンのような人が書いたエントリが多い。
とっつきやすさはないけど、味わいはある作品だと思います。
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