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東大生も負けてない:ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業 [哲学]


ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)

  • 作者: マイケル サンデル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/10/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)

  • 作者: マイケル サンデル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/10/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



主要な哲学者の思想が非常によくわかる一冊。
ハーバードで人気の授業は伊達ではない

【目次】
本書を読むにあたって

第1回 殺人に正義はあるか
レクチャー1 犠牲になる命を選べるか
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 サバイバルのための「殺人」
〔小林正弥教授による解説〕

第2回 命に値段をつけられるのか
レクチャー1 ある企業のあやまち
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 高級な「喜び」 低級な「喜び」
〔小林正弥教授による解説〕

第3回 「富」は誰のもの?
レクチャー1 「課税」に正義はあるか
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 「私」を所有しているのは誰?
〔小林正弥教授による解説〕

第4回 この土地は誰のもの?
レクチャー1 土地略奪に正義はあるか
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 社会に入る「同意」
〔小林正弥教授による解説〕

第5回 お金で買えるもの 買えないもの
レクチャー1 兵士は金で雇えるか
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 母性 売り出し中
〔小林正弥教授による解説〕

第6回 なぜ人を使ってはならないのか
レクチャー1 自分の動機に注意
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 道徳性の最高原理
〔小林正弥教授による解説〕

東京大学特別授業[前篇]――イチローの年俸は高すぎる?

本書を読むにあたって

第7回 嘘をつかない教訓
レクチャー1 「嘘」と言い逃れ
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 契約は契約か?
〔小林正弥教授による解説〕

第8回 能力主義に正義はない?
レクチャー1 勝者に課せられるもの
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 わたしの報酬を決めるのは……
〔小林正弥教授による解説〕

第9回 入学資格を議論する
レクチャー1 私がなぜ不合格?
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 最高のフルートは誰の手に
〔小林正弥教授による解説〕

第10回 アリストテレスは死んでいない
レクチャー1 ゴルフの目的は歩くこと?
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 奴隷制に正義あり?
〔小林正弥教授による解説〕

第11回 愛国心と正義 どちらが大切?
レクチャー1 善と善が衝突する時
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 愛国心のジレンマ
〔小林正弥教授による解説〕

第12回 善き生を追求する
レクチャー1 同性結婚を議論する
〔小林正弥教授による解説〕
レクチャー2 正義へのアプローチ
〔小林正弥教授による解説〕

東京大学特別授業[後篇]――戦争責任を議論する


NHKの「ハーバード白熱教室」で有名になった、マイケル・サンデルの講義録。
人気授業になるだけあって、非常にわかりやすい。そして、非常に考えさせられる一冊。

本書はベンサム、ジョン・ロック、J・S・ミル、カント、アリストテレスなどなど、過去の有名な哲学者の思想を学んでいく形式を取る。
それでは、大学の一般教養でありがちな”哲学史”と違って、わかりやすく・眠たくならないのはなぜか?

それは、過去の偉大な哲学者の考えに対して、自分で正否を深く考える構成になっているから

カントの考え方はやっぱり現実離れしていると思うし、「最大多数の最大幸福」が実現された社会では少数派は非常に生きにくい。そうやって、一つ一つ考えていくことで、哲学者の考えが自分の身についていくのだ。

下手な入門書よりもわかりやすく、読みやすい。
そして、興味を持った人には、さらなる読書ガイドにも使える。
言うことなしの一冊だ。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

ちなみに、付録として付いている東大での特別講義を見ると、議論のレベルでは東大生もハーバードの学生に負けているとは思えない(ハーバードの授業では予習が必要とされているので、若干議論のレベルが高いが、それを割り引くと学生のレベルはいい勝負だと思う)。
日本の大学に足りないのは、学生のレベルではなく、”教える”人のレベルだろう。

他のBlogの反応はこちら。
http://elleryqueen.seesaa.net/article/195785545.html
http://tropus.blog73.fc2.com/blog-entry-281.html
http://ora-00600.at.webry.info/201103/article_1.html
http://suzu-09dreams.blogspot.com/2011/04/blog-post_14.html
http://blog.goo.ne.jp/akira-sq/e/33c9ab348cea4525e391d8905c11ee91
http://trivector.livedoor.biz/archives/51890571.html
http://blog.livedoor.jp/keyplayers_takano/archives/51829328.html

この授業のすごいところは、自分で考えることが徹底されていること。
サンデル教授は、自分の主張する意見であるはずのコミュニタリアニズムを絶対的なものとして、学生に教えることはない。
だからこそ、本書の読者は、必死で考え、生きた知識をみにつけることができるのだ。






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