時代遅れの一冊:資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 [投資・マネー]
本書には大きく分けて2つの内容が含まれている。
●日本からの資産フライトを描いたルポ
●日本から資産フライトが起こる原因になった公務員に対する怒り
このうち、上の資産フライトについては、タイトルから期待すると残念になるぐらいレベルが低い。
【目次】
第1章 成田発香港便
第2章 震災大不況
第3章 海外投資セミナー
第4章 さよならニッポン
第5章 富裕層の海外生活
第6章 税務当局との攻防
第7章 金融ガラパゴス
第8章 愚民化教育
第9章 愛国心との狭間で
本書の冒頭には、こんな記述がある。
ここで外貨預金について説明しておくと、香港のようなオフショアでの複数の通貨による預金は、日本で言う「外貨預金」とは大き異なる。(中略)
結局あわせて2円が手数料で消えてしまう。となると、よほど大きな為替変動がないかぎり、外貨預金は殖えない。
しかし、HSBCなどでは、この手数料は0.25%で1ドルにつき25銭(便宜的に1ドル100円として)である。この手数料の差は、預金が増えることに関しては、圧倒的な差である。
この記述をみて、海外で預金したほうがいいと思った人は要注意。
はっきり言ってカモである。
日本でもFXなら色々な通貨を使って投資できるし、手数料も0.25%なんて目じゃないぐらいの金額だ。
後は日本の証券会社と中国・香港の銀行のどちらがリスクが高いかということ。
このレベルなので、本書は資産フライト・海外投資という意味では無益を通り越して、盲信すると有害ですらある。
では、本書はゴミ本かというと、そうではない。
本書のもう一つのテーマ、なぜ日本から資産フライトが起こるか?
という議論は、基本的ではあるものの、非常に優れている。
この国の官僚がいかに無能で腐っているか。それがよくわかる。
この部分があるから、本書は救われている。
☆☆☆(星3つ。後半部分だけはいい)
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2011-12-29 16:22
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