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時代遅れの一冊:資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 [投資・マネー]


資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

  • 作者: 山田 順
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/10/19
  • メディア: 新書



本書には大きく分けて2つの内容が含まれている。
●日本からの資産フライトを描いたルポ
●日本から資産フライトが起こる原因になった公務員に対する怒り

このうち、上の資産フライトについては、タイトルから期待すると残念になるぐらいレベルが低い。
【目次】
第1章 成田発香港便
第2章 震災大不況
第3章 海外投資セミナー
第4章 さよならニッポン
第5章 富裕層の海外生活
第6章 税務当局との攻防
第7章 金融ガラパゴス
第8章 愚民化教育
第9章 愛国心との狭間で


本書の冒頭には、こんな記述がある。
ここで外貨預金について説明しておくと、香港のようなオフショアでの複数の通貨による預金は、日本で言う「外貨預金」とは大き異なる。(中略)
結局あわせて2円が手数料で消えてしまう。となると、よほど大きな為替変動がないかぎり、外貨預金は殖えない。
しかし、HSBCなどでは、この手数料は0.25%で1ドルにつき25銭(便宜的に1ドル100円として)である。この手数料の差は、預金が増えることに関しては、圧倒的な差である。


この記述をみて、海外で預金したほうがいいと思った人は要注意。
はっきり言ってカモである。


日本でもFXなら色々な通貨を使って投資できるし、手数料も0.25%なんて目じゃないぐらいの金額だ。
後は日本の証券会社と中国・香港の銀行のどちらがリスクが高いかということ。

このレベルなので、本書は資産フライト・海外投資という意味では無益を通り越して、盲信すると有害ですらある。


では、本書はゴミ本かというと、そうではない。
本書のもう一つのテーマ、なぜ日本から資産フライトが起こるか?
という議論は、基本的ではあるものの、非常に優れている。
この国の官僚がいかに無能で腐っているか。それがよくわかる。
この部分があるから、本書は救われている。

☆☆☆(星3つ。後半部分だけはいい)

他のBlogの反応はこちら。
http://yaplog.jp/kaiten-sushi/archive/1310
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-1355.html
http://blog.goo.ne.jp/hoboike_diary/e/6ef5a03137c959549e6c7c56abc2485e
http://kumafx.seesaa.net/article/239938294.html
http://d.hatena.ne.jp/shakaigakubu/20111123/1322048805
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