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ボビー・フィッシャーをモチーフに:キング&クイーン [小説]


キング&クイーン (講談社文庫)

キング&クイーン (講談社文庫)

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/02/15
  • メディア: 文庫



チェスをテーマにしたミステリ小説。
ジョーカー・ゲーム」の筆者らしく、陰謀を絡めて作られたストーリーは十分に楽しむことができる。


本書は、ミステリとしての部分は秀逸。
疑問を抱きながら読み進め、読後には納得考えられるというミステリとして安心することができる内容になっている。
キャラクターもいい味を出していて、ずば抜けた傑作というわけではないけれど、うまくまとまった出来になっている。特に、本書で出てくるチェスのチャンピオンはボビー・フィッシャーをモデルにしているのだろうから、非常に興味深いキャラクターに仕上がっている。

そんな本書に、文句をつけるとしたら、チェスのシーン。
私はチェスはルールぐらいしかわからないが、将棋は趣味としている。
そんな私から見ても、チェスのシーンは若干迫力に欠ける。
チェスの楽しみ・苦悩・焦りが十全に描写されているようには思えない。

とはいえ、スポーツ物の小説でスポーツの魅力がこれ以上なく語られているということも稀なので、これはこれで許容範囲内だろう。

気軽に読めるミステリとして、チェスのようなボードゲームに興味のある人は手にとって見るといいだろう。

☆☆☆(☆3つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://stillblue.ti-da.net/e3840807.html
http://komimisyobou.jugem.jp/?eid=1780
http://blog.goo.ne.jp/tatsuya-23/e/dcd4e02a2cf419632efb71c69e9136ed
http://d.hatena.ne.jp/JACK/20120304/p1
http://hidebook.seesaa.net/article/244960404.html
http://happysad.seesaa.net/article/152834843.html
http://blog.goo.ne.jp/simatta21/e/eb1630a9bb6176abb16e00714564baa0

エントリは多いものの、モデルに成ったボビー・フィッシャーに触れているエントリは少ない。
日本を舞台にした騒動だったのに、意外と知っている人は少ないんですね。
(という私も羽生善治が声明を出さなかったら知らないままだったと思う)
そういう点からはいい狙いどころだったのかな。






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