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スポーツファンなら必読:オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く [経済]


オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

  • 作者: トビアス・J・モスコウィッツ
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



サッカーでも野球でもホームチームが有利なのはなぜだろう?
これについては、色々検証されてきた。
野球の場合だと、球場の形が違うので、慣れているホームチームが有利だとする説や、サッカーの場合なんかは国によって気候が違うので慣れている方が力を発揮できるという説を聞いたことがある。

だが、真相は審判がホームチームを贔屓するからホームチームが有利になるのだ。
所謂ホームタウンディシジョンのせいだ。
(八百長レベルの疑惑を除くにしても、ホームチームは有利になる。)

このように、スポーツ界の常識に対して、行動経済学者が科学的・統計的な面から挑み・覆していく一冊だ。

【目次】
ホイッスルを飲み込む
 ―ファンもリーグも、審判のミスジャッジを願っているのはなぜか?
ここは勝負だ!
 ―ヘッドコーチたちが、自分のチームの勝つ可能性を下げるような判断を下すのはなぜか?
スーパーボウルの予測は、やるだけ無駄
 ―ピッツバーグ・スティーラーズがあんなに成功しているのはなぜか?
 ―ピッツバーグ・パイレーツがああもダメなのはなぜか?
タイガー・ウッズも(みんなが思っているのとは違うところで)人の子
 ―タイガー・ウッズもぼくらとまったく同じであり、ゴルフのプレーに関してさえたいして違わない
オフェンスを制する者も勝負を制す
 ―オフェンスよりもディフェンスのほうが大事って本当なんだろうか?
数じゃない、価値で評価しろ
 ―ドワイト・ハワードの232回のブロックショットは、ティム・ダンカンの149回のブロックショットよりも価値が低いのはなぜか?
抜け目のないGMは2割9分9厘のバッターを選ぶ
 ―2割9分9厘のバッターが3割バッターよりもずっと希少なのは(それに、ひょっとすると価値が高いのは)なぜか?
ミスター・ルーニーありがとう
 ―NFLの黒人ヘッドコーチの成績がいまだかつてない悪さなのはなぜか?そしてそれがいいことなのかはなぜか?
楽しい我が家
 ―「地元が有利なのはなぜか」の昔からある説明はどこまでつじつまがあっているんだろう
それじゃ、我が家が楽しいのは本当はどうしてなんだろう?
 ―ヒント。ファンが騒ぐというのが重要な点だが、みんなが思っているのとは違う形で重要なのだ〔ほか〕


スポーツの世界は、頭をつかうよりも体を使うほうが重要なので、セオリーが正しいかどうかなんて真剣に考えたことのある人は少ない。
この事実はヒット作の「マネー・ボール」でも明らかにされていたから、知識として知っている人は多いだろう。
だけど、本書を読めば、スポーツ関係者はアタマの使いドコロを間違えているとしか言いようがない。
例えば、「ディフェンスを制する者が勝負を制す」とか「守備は基本(で最も大切)」とか言われることは多いが、それは本当なのだろうか?
結論としては、大嘘。少なくとも、プロレベルだとディフェンスとオフェンスは等価で重要。守備がボロボロでも一級品の攻撃力があればきちんと優勝できる。

他にも、一昔前の阪神タイガースのように弱くて人気のあるチームが長い間優勝から遠ざかるのはなぜか?とか、プロゴルファーがパーパットとバーディパットを同じ心理状態でプレーしているのか?とか、NFLのドラフトで勝利する方法は?等興味深い内容がいっぱい。

スポーツファンなら間違い無くオススメ。

ただし、本書はアメリカ人がアメリカン・スポーツを前提に書いているので、アメリカンスポーツの知識がないと多分読みづらい。
野球・バスケットボール・(白黒のボールを蹴るほうじゃない)フットボール・アイスホッケーのおおまかなルールは知っていないと面白くない(ホッケーの事例は少ないので、他の3つがわかれば大丈夫だが)。
更に言うなら、ティム・ダンカン、ペイトン・マニング、アルバート・プホルス(本書の表記はプーホールス)と聞いて、どんなスポーツのスーパースターか思い浮かぶぐらいのレベルのほうがより楽しめる。

そういう意味では人を選ぶのだろうが、中身は文句なしに面白い。

☆☆☆☆★(☆4つ半)

他のBlogの反応はこちら。
http://mayuharu21.at.webry.info/201209/article_29.html
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-1564.html
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/52024005.html
http://theyoungeconomist.blog115.fc2.com/blog-entry-493.html
http://riekonaito.blogspot.jp/2012/07/blog-post_20.html
http://axlrose2710.blog42.fc2.com/blog-entry-992.html
http://blog.livedoor.jp/hisakadom/archives/51806312.html
スポーツ関係者は真実の姿が見えていない。これは間違いない。
だけど、私たちは自分の仕事で同じようなトラップに陥っていないだろうか?
意外とそこが気になる一冊でした。

ちなみに、スポーツは詳しくないけど、本書は気になるという人。
以下の参考書籍を読んでからなら、本書も十分にいけると思います。


SLAM DUNK 完全版 全24巻・全巻セット (ジャンプコミックスデラックス)

SLAM DUNK 完全版 全24巻・全巻セット (ジャンプコミックスデラックス)

  • 作者: 井上 雄彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/03/22
  • メディア: コミック



アイシールド21 1 (ジャンプ・コミックス)

アイシールド21 1 (ジャンプ・コミックス)

  • 作者: 村田 雄介
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2002/12/20
  • メディア: コミック



MAJOR 1 (My First WIDE)

MAJOR 1 (My First WIDE)

  • 作者: 満田 拓也
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: コミック








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