机上の知識から、実際に使える知識へ:IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ [自己啓発]
IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
- 作者: 冨山和彦
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 新書
元産業再生機構COOの冨山和彦が語る、経営分析の極意。
本書は経営分析の基礎を知っている人向けに書かれており、机上の知識で基礎を知ったレベルから一段レベルアップするためのTipsが満載だ。
【目次】
第1章 リアルな経営分析とは何か?
リアル経営分析は企業の健康診断(精密検査)
リアル経営分析はテーラーメイド ほか
第2章 リアル経営分析の進め方
仮説と検証を繰り返して真実に迫る
PL、BS、CSを使いこなす ほか
第3章 生き残る会社と消え去る会社―実例に学ぶ分析枠組み編
経営分析を始めるとき、まず持つべき目的意識とは?
規模が効くか効かないか ほか
第4章 生き残る会社の数字のつくり方―ケーススタディーで分析訓練編
会社の事業モデルを自分なりに試算してみる
試算をベースに自分でPL/BSをつくってみる ほか
経営分析のノウハウを語る書物は多い。
入門書から専門的なものまで、数多くの書籍が出ているし、その中では色々な数値の見方が書かれている。
では、それらの書物を読めばコンサルタントデビューできるのか?
筆者に言わせると、知識だけでコンサルデビューしている人は多いが、実際の企業再生の現場では知識だけでは回らない場面が出てくる。
双した落し穴を幾つか例示し、机上の知識からレベルアップできるように書かれているのが本書だ。
コンサルティング・経営戦略を生業とする人には間違い無く有効だし、経営学を学んでいる学生さんにも実際の業務とのギャップという意味で読んでみるとよさそうな一冊だ。
☆☆☆★(☆3つ半)
他のBlogの反応はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/yocchi_gogo/20120709/p1
http://kakihara.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/04/201244_fcbc.html
http://mk44.exblog.jp/18251957/
http://j-bookshelf.jugem.jp/?eid=310
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-1451.html
http://jungae.exblog.jp/17919707/
新書の割には評価が高い。
ちなみに、筆者が机上の知識から一歩踏み込んだところを重視するのは、企業再生のプロという筆者の経歴が関係するのだろう。
ほうっておいても市場全体が伸びる成長分野では、教科書通りの対応でも成果が出るのだろうし、細かく見るより大雑把に考えてすぐに行動するほうが成果につながるのだろう。
だが、色々手を打ったにもかかわらず倒産しするような会社を相手にするような筆者のような仕事では、教科書通りの手は誰かがすでに試したはずなので、そこから本書のような見方になるのだろう。
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