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言うは易く行うは難し:ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する [経済]


ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

  • 作者: W・チャン・キム
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: 単行本



今世紀の経営戦略の大ヒット理論、ブルー・オーシャン戦略。
単なる現象の説明ではなく、ブルー・オーシャン市場への参入を経営戦略の手法としてきちんと落としこんでいるところがポイントだ。

【目次】
第I部 ブルー・オーシャン戦略とは
 第1章 ブルー・オーシャンを生み出す
 第2章 分析のためのツールとフレームワーク

第II部 ブルー・オーシャン戦略を策定する
 第3章 市場の境界を引き直す
 第4章 細かい数字は忘れ、森を見る
 第5章 新たな需要を掘り起こす
 第6章 正しい順序で戦略を考える

第III部 ブルー・オーシャン戦略を実行する
 第7章 組織面のハードルを乗り越える
 第8章 実行を見すえて戦略を立てる
 第9章 結び:ブルー・オーシャン戦略の持続と刷新

巻末資料A ブルー・オーシャン創造の歴史的形態
巻末資料B バリュー・イノベーション:戦略の再構築
巻末資料C バリュー・イノベーションの市場ダイナミクス


本書のキモはブルー・オーシャンに取り組むための戦術(どうやってブルー・オーシャンを見つけるか、参入するにあたってはどういった手順でサービスを作りこんでいくか?)とブルー・オーシャンに取り組む戦略(会社として、常にブルー・オーシャンに取り組むにはどうすればいいか、いつからブルー・オーシャンに取り組むか?)と言った両面からブルー・オーシャン戦略が解説されているところ。

単体のサービスの成功要因としてブルー・オーシャンを語るだけでないのはポイントが高い。

そして、本書を読むと、ブルー・オーシャンの魅力とともに、難易度が非常によく分かる。
ブルー・オーシャンの話をすると、必ず例に上がるアップルコンピュータ。iPod、iPhoneでブルー・オーシャンを切り開いてきたが、その貯金もつきつつあり、どちらもレッドオーシャンに飲み込まれつつ有る。
(この事象に、スティーブ・ジョブズの死は直接関係ない。最近の低迷はブルー・オーシャンの貯金がなくなってきているのが主要因だろう)。

同じように、日本の大企業もブルー・オーシャンへの取り組みは続けているものの、なかなか目立ったヒットは飛ばせていない。
サラリーマンの皆様には自社での取り組みで新規分野への取り組みやR&D投資を繰り返したにもかかわらず、一向に業績が上向かないことに苛立っているケースも多いだろう。

そうした事象は本書の限界のようなもので、勉強して、そのとおりに実践したからといって必ず成功できるものではない。むしろ、成功率はそれでも低いといえるだろう。
それでも会社として成長を加速するには取り組むしか無い。
非常に勉強になる一冊だが、真価を発揮させるのは難しい、なんとも扱いにくい書である。

☆☆☆☆☆(☆5つ)

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