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自由や世間とのつきあいかたを学ぶ:中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ [哲学]


中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書)

中学生からの哲学「超」入門―自分の意志を持つということ (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 竹田 青嗣
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/07
  • メディア: 新書



哲学とはなにか?
なぜ、生活の役に立たない(と思える)哲学を人類は発明したのか?
哲学を学ぶことは何に対してプラスなのか?

そういったことが明らかになる、中学生だけでなく大人にとっても読み応え十分の一冊。

【目次】
1 自分とは何者か
 神経症―私はなぜ哲学者になったか
 欲望論哲学の出発点
2 世界はどうなっているか
 宗教のテーブルと哲学のテーブル
 哲学のテーマ―「神」と「形而上学」について
 宗教と哲学の弱点
3 なぜルールがあるのか
 大貧民ゲームで近代社会を体験する
4 幸福とは何か
 ガウェインの結婚―「自分の意志を持つこと」


第1章ではピンとこなかった本書だが、第2章の哲学と宗教の対比、第3章における世の中のルール、そして第4章の喩え話、ガウェインの結婚。
この流れでどんどん中身に引きこまれていく。そして、哲学というものの存在価値が理解できるようになる。
正直なところ、マイケル・サンデルの入門書に一番ぴったりなのは本書のように思えてくる。

本書が素晴らしいのは単に哲学入門という位置づけにとどまらず、哲学を使った人生の改善に踏み込んでいる点。
タイトルには「中学生からの」となっているが、人生の中で最も難しい課題の一つである「自由」とのつきあいかたが書かれているので、初めて家を出た大学生や社会人が読むと多くのことが得られるだろう。

正直なところ、私も司法試験浪人をしていた大学生時代に本書を読んでいれば精神的な安定を得られただろうし、その後の人生の選び方も変わっていたのだろう。

タイトルに反して読み応えがあるが、その分だれにでも進められる良書。
人生に行き詰まりを感じたら手にとって見れば、思いの外の効能にびっくりするかもしれない。

☆☆☆☆☆(☆5つ。満点)

他のBlogの反応はこちら。
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http://blog.livedoor.jp/kelokelo/archives/51415627.html
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http://blog.goo.ne.jp/breakingthehabittonight/e/5c2654ba9b5acac40f55c17bf3778aef

自由とのつきあいかたという面では「選択の科学」と合わせて読んでみるといいだろう。自由を求めて人間は努力している(あるいは、苦しんでいる)という本書の見方に対し、「選択の科学」では自分で選択するという自由がいい結果をもたらさないことも有るというアンチテーゼが紹介されている。
自由というのは、奥が深い。






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