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ヨーロッパ人から見た人類史:若い読者のための世界史 [歴史]


若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)

若い読者のための世界史(上) - 原始から現代まで (中公文庫)

  • 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/04/21
  • メディア: 文庫



若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)

若い読者のための世界史(下) - 原始から現代まで (中公文庫)

  • 作者: エルンスト・H・ゴンブリッチ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2012/04/21
  • メディア: 文庫



ヨーロッパ人から見た世界史。
本書の特徴は、上空から地上の出来事を眺めるようにある種覚めた感覚で歴史が語られるというところ。
ヨーロッパの世界史で言うとアレクサンドロス・カエサル・ナポレオン等伝記の主人公にふさわしい英雄たちが数多く存在するのだが、本書はそうした人にフォーカスせずに、人類の営みを淡々と綴っている

【目次】
<上巻>
「昔、むかし」
偉大な発明者たち
ナイル川のほとり
日月火水木金土
唯一の神
だれもが読める文字
英雄たちのギリシア
けたちがいの戦争
小さな国のふたつの小さな都市
照らされた者と彼の国
大きな民族の偉大な教師
偉大なる冒険
新しい戦い
歴史の破壊者
四方世界の支配者
よろこばしい知らせ
帝政のローマ
嵐の時代
星夜のはじまり
アッラーの神と預言者ムハンマド
統治もできる征服者
キリスト教の支配者
気高く勇敢な騎士
騎士の時代の皇帝
<下巻>
新しい都市と市民の誕生
新しい時代
新しい世界
新しい信仰
戦う教会
おぞましい時代
不幸な王としあわせな王
その間に東欧で起こったこと
ほんとうの新しい時代
暴力による革命
最後の征服者
人間と機械
海の向こう
ヨーロッパに生まれたふたつの国
世界の分配


本書は薄い文庫本2冊で人類誕生から第一次世界大戦までを語る世界史の本。
冒頭で述べたように、世界史上の英雄・偉人に深入りすることなく、人類の営みを綴っている。むしろ、英雄と言うのは世界を征服するなどして多くの人を苦しめたとして、彼らに対して否定的な見方すら感じられる。

本書は日本で世界史の教育を受けた人にぜひ読んで欲しい一冊。
まず、日本とは当然に重点が異なる。世界史とは言いながらヨーロッパの出来事がメインで、中国史が全体の4割ぐらいを占める日本の世界史とはものの見方が大きく異なっている。
また、ヨーロッパの世界史には現代の自由・人権と言った思想が根付いていることもよくわかるので、その点でも日本の歴史教育とは大きく異なっている。

本書が第一次世界大戦で終わっていることも単なる尻切れトンボではなく、本書を読んでいるうちに、オーストリアで育ったユダヤ人である筆者が語っている以上、その後のことは語るに耐えなかったのだろうという想像が必然的に身につく。

日本の歴史教育を補うのに最適な本書。受験の役に立つかどうかは微妙だが、大人が読むと意外と多くのことを得られる内容だ。

☆☆☆☆(☆4つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://thegiverisreborn.blogspot.jp/2013/10/blog-post_21.html
http://d.hatena.ne.jp/inoma/20130414/1365908051
http://blogs.yahoo.co.jp/ynm0/66483758.html
http://blog.livedoor.jp/seibundoh_wasedasta/archives/4177625.html
http://www.ktr04.com/books/2012/10/post-266.html
http://yacchant.jugem.jp/?eid=116






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