庶民にとっては物件選びよりも大切：あなたの資産を守る! マンション管理見直しの極意

あなたの資産を守る! マンション管理見直しの極意

• 作者: 村上 智史
• 出版社/メーカー: 自由国民社
• 発売日: 2013/05/24
• メディア: 単行本（ソフトカバー）

マンションを持っている人は、本書に書かれているような管理費の見直しをするかどうかで、1,000万円前後の損得が発生する。
マンションを買うときに資産的価値から物件を精査するのが最近のはやりだが、物件選びで頑張るよりも、管理費見直しで頑張ったほうが効果が高かった。なんてことも普通に存在する。

【目次】
はじめに
第1章 管理組合が抱える問題とリスク
　マンション管理の現状はこうなっている
　共通の悩みは大規模修繕工事
　なぜ管理に無関心なのか?
　高止まりする管理費
　競争原理が働きにくい業界事情
　充実したサービスの裏にあるもの
　修繕積立金の「ワナ」
　なぜ購入時の修繕積立金は安いのか?
　適正な修繕積立金を知ろう!
第2章 「隠れメタボ」と「簿外債務」
　管理組合に共通する2大問題
　「消費」と「貯蓄」の配分を見直そう!
　「簿外債務」を減らす処方箋
　長期修繕計画の見直し方
第3章 実例データによる検証~自宅マンション13年間の軌跡~
　管理コストはどこまで下げられるのか?
　管理見直しの経済効果
　大規模修繕工事前の「再見直し」
　「簿外債務」は解消できる
第4章 費用項目別 管理「見直し」のポイント
【管理委託費】
　管理見直しの「最重要」テーマ
　メーカー系保守業者が強いワケ
　独立系業者は「安かろう、悪かろう」なのか?
　「過剰な仕様」はないか?
　類似する複数の業務は1社に集約すべし
【光熱費】
　「電子ブレーカー」で電気代は下がる
　大規模マンションなら高圧受電
　投資が一切不要な「裏ワザ」
　LEDにするなら、ここに注意!
【マンション保険料】
　「自由化」の恩恵が受けられない事情
　見直したら、こんなに変わった!
　保険料は下がるのに、保険金が上がるワケ
　積立保険は資金運用効果アリ
　居住者賠償保険の掛け方
【植栽管理費】
　高木の多いマンションは要注意
　コストを抑えるポイントは2つ
第5章 管理会社の見極め方とリプレース
　こんな管理会社は変えるべし
　リプレースの条件は3つ
　リプレースはこう進める
　担当者のプロフィールを提出させよう
　管理会社の提案力を試してみよう
第6章 大規模修繕工事の乗り切り方
　最大の正念場=「大規模修繕工事」
　大規模修繕工事こそ、管理会社の狙い
　「管理会社に丸投げ」はNG!
　大規模修繕工事はこの手順で進める!
第7章 「資産価値」を上げる! 管理見直し術
　マンションの「資産価値」を決めるもの
　余剰資金を安全・確実に殖やす「裏ワザ」
　リノベーション工事で資産価値アップ!
　コミュニティーの活性化で居住価値アップ!
　管理を「見える化」するメリット
　コミュニティー形成とコスト削減の両立
第8章 マンション管理は新しい時代へ~マンション管理見直し本舗が目指すもの~
おわりに

目次を見ても分かるが、マンションを買った人が毎月支払うのは「管理費」と「修繕積立金」。
この内、「管理費」は分譲当初高めに設定されていて、「修繕積立金」は安めに設定されているのが一般的とのこと。そのため、「管理費」支出を削って「修繕積立金」に削った分を回せるかどうかで、修繕積立金の値上げの幅・頻度が大きく異なってくる。

ランニングコストに興味のない人が集まったマンションでは、分譲当初の管理会社に分譲当初の長期修繕計画のまま委託を続けることになる。そうすると、分譲当初の3倍ぐらいまで修繕積立金が上がってしまう。
※小規模な物件だと、更に一時金支払いとか、更なる値上げにつながる。

ところが、ランニングコストのコスト意識が高い人が理事をやって、それを住民が支持すれば、修繕積立金と管理費の合計を分譲当初に近しい水準で維持することが出来る。
この差は住めば住むほど広がっていって、最終的には大きな差になってしまう。

マンションを選ぶときに重要なのは価格だったり、立地だったり、仕様だったりと言われている。
だけど、本書を読むとマンションを選ぶときに一番大事なのは一緒に住む隣人であることがよく分かる。
こればっかりは分譲時に選ぶことはできないんだけど、小手先の物件選びよりもはるかに重要。
どこかの分譲会社がSNSあたりを使った購入検討をしている物件の隣人紹介サービスを始めてくれませんかね……。

☆☆☆☆（☆四つ）

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