本当のダイバーシティ:バカが多いのには理由がある [社会]
2012年11月から2014年5月にかけて、「週刊プレイボーイ」に連載された内容を再構成して、プロローグとエピローグを加えたのが本書。
あとがきにある
不愉快な場面でこそ叶な限り直感を捨て、ゆっくりと考えることを心がけねばならないのです。
という一文に示されるように、世の中の問題に対して、一見納得行かないけどうまくやるにはこれしか無い。
と言える内容が描かれている。
【目次】
私たちはみんなバカである
1 POLITICS政治
ニッポンの右傾化
嫌韓と反中
「日本を取り戻す」政策
ニッポンはどこにいくのか?
2 ECONOMY経済
ブラックな国
イエという呪縛
自虐的な経済政策
経済は面白い
3 SOCIETY社会
ニッポンの暗部
腐った楽園
4PSYCHOLOGY心理
こころの内側
地獄への道は善意によって敷き詰められている
本書で書かれている内容は政治的には達成できないものばかり。
例えば、待機児童をなくすためには、事業者への補助金の投入をやめ、保育事業を市場原理に戻すべき。
という主張が本書では出てくる。
こんなことを実際の地方議員とか首長が主張すれば、今話題の朝日新聞あたりに「弱者切り捨て」などと叩かれて、低所得者層の支持を失ってしまう。
ところが、保育事業者への補助金投入(認可保育園とか認証保育園への税金投入)が何をもたらしているかというと、民業圧迫による民間事業者(無認可保育園)の撤退だったり質の低下だったりする。
それでいて、公立保育園の職員は相場よりも高い給料をもらって雇用が保証されている。
本書がいうように保育事業が完全民営化されれば、最初の2~3年は混乱するだろうが、その時期を乗り越えてしまえば完全民営化のほうが質の高い保育サービスが十分に提供されるようになるのは間違いない。
だが、きちんと考えれば分かるはずのことでも、直感に反するがゆえに政治的に反対されて実現できない。
これが「バカが多い」社会における現実だ。
本書には上記のような事例が沢山出てくる。
直感的には??となるような内容も多いんだけど、きちんと考えると根拠もあって、良い解決策だということがよくわかってくる。
ダイバーシティ尊重が言われる世の中、本書で頭の体操をしてみるのもいいのではなかろうか。
☆☆☆☆(☆四つ)
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