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賃貸最強。だが、どうしても買う人は……。:これから3年 不動産とどう付き合うか [投資・マネー]


これから3年 不動産とどう付き合うか

これから3年 不動産とどう付き合うか

  • 作者: 長嶋 修
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2014/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


(本書より引用)
価値の落ちない、あるいは落ちにくい住宅を選んだ人は、特に意識しなくても自然と資産形成ができ、長い人生を通してそれなりに豊かな生活を過ごせるでしょう。
しかし、そうでない住宅を選んだ人は、単にお金を垂れ流すだけの”負債住宅”を選んだことになるでしょう。
両者の資産格差は数千万円にも上がってきます。


と、住宅を買うときにおける物件選びの重要性を説いているのだが、本書を読むと「価値の落ちにくい住宅」を選ぶことが難しいことがよく分かる。
本書を読んだ感想は、筆者の意図とは違うだろうけど、「賃貸最強」というところに落ち着いてしまう。

【目次】
はじめに 住宅は本当に買い時なのか
 「不動産は買い」、だけど……
 「外部要因」に振り回されるな
 マイホーム購入には「魔物」が潜んでいる

序 章 不動産市場の夜明け?
 アベノミクスは希望、それとも蜃気楼
 税制・予算が市場に与える影響
 広範囲に需要を下支えする政府予算
 新築市場――10%アップは既定路線
 中古市場――物件の見極めが重要
 賃貸住宅――二極化が鮮明に
 REIT――アベノミクス次第

第1章 インフレで不動産はどうなる
 もし悪性インフレになったら
 アパート経営はどうなる?
 金利上昇が不動産価格に与える影響
 アジア富豪が注目する日本の不動産
 2020年東京オリンピックの影響
 活況を呈する東京の新築マンション
 地価の推移はだれにもわからない
 資産を守る投資、目減りさせる投資

第2章 マイホーム買うか買わないか
 不動産は所有から活用の時代へ
 日本は人口減少先進国
 「資産性上昇」か「スラム化」か
 今後有望な地域はどこか
 人生を左右するマイホーム選び
 短期的には買い、長期的にはモノによる
 「家賃」と「ローン」の損得勘定

第3章 日本の住宅が資産になる時
 建物の寿命はどのくらい
 建物評価の常識がもうすぐ非常識になる
 東証住宅価格指数――首都圏の中古マンションが対象
 不動産価格指数――主要先進国による国際指数
 データ整備で住宅市場は激変す
 住宅が価値を持つ条件
 結局は「立地が全て」
 地域の「災害対応力」を調べよう
 住宅の「価値貯蔵機能」を有効に使い切る

第4章 「私はマンション」という人へ
 ようやく浸透してきた「マンションは管理を買え」
 マンション管理は今後どうなるのか
 リノベーションブームの落とし穴
 コミュニティをどう機能させるか
 9割のマンションは建て替えできない

第5章 「やっぱり戸建て」と考える人に
 建物のどこをチェックすべきか
 住宅診断士の選び方
 大地震に備える

おわりに


本書のポイントは、現在の不動産市場の非効率性だ。
現在の中古不動産市場は典型的なレモン市場になってしまっているので、中古の不動産にはまともな値段はつかない。そのため、住宅は買った途端に投資額を下回る価値になってしまい、以降30年ぐらいは投資額を上回る価値を持つことがない。

この状態は誰が考えても非効率なので、さまざまなところで住宅の価値を適切に評価するためのサービスが始まりつつ有る
東証住宅指数や国交省の不動産価格指数と言った価格の指数化もその一環だし、数多のベンチャー企業が取り組んでいるデータ整備もその一環。そうした取組がいい方向に実を結べば住宅の価格はまっとうに評価されるようになるだろう。
だが、裏を返せば、現在の不動産市場はまともではないと筆者も認めているに等しい。この状況では「価値の減りにくい住宅」を探すことは至難の業だ。

さらに、住宅市場が効率化したら、賃貸住宅が分譲住宅に比べて著しく仕様が劣るといった現状のような問題はほぼ発生しなくなる
ということで、本書を読めば読むほど、賃貸のほうが優れているとしか思えなくなる。

そんな中でも「価値の減りにくい住宅」を探すためのTipsは本書で述べられているので、住宅を買うと決めた人は個々のTipsも読み込んで欲しい。
住宅評論家にありがちな、「山の手線の内側以外は買う価値なし」とか、「大災害を考えると埋立地はありえない」と言った極端な意見が出てこないので心安らかに知識を得ることが出来る。

筆者も言うようにこれから数年は不動産は上がり続けるだろう。
そんな中で、運悪く住宅購入を考える状況になった人には本書で得られる助言は有用なものだろう。

☆☆☆☆(☆四つ)

他のBlogの反応はこちら。
http://blackswandays.blogspot.jp/2014/06/1258.html

いい本なんだけど、書評エントリは少なめ。
長嶋修さんは、不動産業界の関係者でポジショントークも多いんだけど、この人のとってるポジションは全国民のためになるものだと思ってるのですが……。






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