崩壊するのは近郊の不便な立地:2020年マンション大崩壊 [投資・マネー]
タイトルは「マンション大崩壊」だが、実際の主張は「不便な土地大崩壊」
「空き家問題 」から続く筆者の主張は大きく変わっていないと見る。
【目次】
第1章 「地方」の問題ではなくなった空き家問題
第2章 都心部ですすむ「マンション空き家問題」
第3章 老朽化マンションが抱える「スラム化」の恐怖
第4章 問題解決を阻む管理組合という存在
第5章 タワーマンションの将来
第6章 マンションの資産価値を考える
第7章 解決のための処方箋
第8章 不動産価値の大変革を迎えて
三井不動産の杭打ち不全マンションのニュースに関連して、「マンションを買うべきではない」という主張に引用されることの多い本書。筆者も話題には乗っかっておこうと言うスタンスなのか、「マンションを買うべきではない」という文脈でコメントを出したりしているようだが、本書の狙いは若干違う。
マンションか一戸建てか、賃貸か購入かというよりも、不便な立地で不動産を持つと悲惨なことになるというのが筆者のメイン主張だ。
タイトルだけを見て、「買うなら一戸建てだよね」と思う人に支持されているらしいが、筆者のロジックに基づけば、(同じ予算なら)一戸建てのほうが失敗する可能性が高いという結論になる。
その上で、同じ立地であることを前提にすると、マンションには意思決定の難しさがある。という至極アタリマエの主張をしている。
意思決定の難しさの究極の例として第5章でタワーマンションの事例を取り上げているが、そのために筆者の主張がわかりにくくなってしまっている。
(時節柄、その曖昧さがいい方向に作用して宣伝・販売に寄与しているのだが)
私が本書を読んだ限りでは、意思決定の問題を(新たな立法や住人の努力によって)なんとかクリアしてしまえば東京においては一戸建てよりもマンションのほうが希望があるように思えてしまう。
どっちもそれなりに難しいことには違いないのだが……。
☆☆☆(☆3つ)
他のBlogの反応はこちら。
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