本編より注釈のほうが値打ちかな:大学でまなぶ日本の歴史 [歴史]
最新の研究をもとにした通史。
「大学で学ぶ」とタイトルに入ってはいるが、通史なので専門分野に入り込むことなく、わかりやすい記述が保たれている。
分量も大したことがないので、日本史をしっかり学んだことがない人にとっては最適の入門書。
日本史を高校時代にしっかり学んだ人にとっては、出典欄が一番役に立つガイドブックという位置づけだ。
【目次】
1 原始・古代
日本列島への人類の渡来と定住
弥生時代から古墳時代へ ほか
2 中世
院政
鎌倉開幕 ほか
3 近世
江戸幕府の開創
幕藩体制の安定 ほか
4 近代・現代
明治政府の成立
民権と国権 ほか
高校時代に「山川日本史」を使っていた人は多いだろう。
本書のイメージはそこから、受験という面で必要な知識をそぎ落として最小構成にした本だ。
当然、最新の研究はフォローされているし、主流派の知識なので大きな偏りはない。
そうした意味で非常に信頼できる一冊に仕上がっている。
それがゆえに、基本がわかっている人にとっては新鮮味のない本に感じられるのだが、そこはある意味仕方ないとの割きりだろう。
そうした”上級者”にとっては、本書で示されている出典の原典に当たるしかなく、本書はそのためのガイドとして使用できる。
☆☆☆★(☆三つ半)
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