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スポーツマンの心理とトラウマを描く良作:ミス・ジャッジ [小説]


ミス・ジャッジ

ミス・ジャッジ

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本


この作者の本を読むのは初めてだが、スポーツ物の小説では有名。
この作品もメジャーリーグに挑戦した日本人と、日本で選手の道を絶たれてメジャーで審判になった日本人の心理を描いた読み応えのある作品である。日本からメジャーに高い待遇で移籍した主人公橘と橘の先輩で、優秀な選手ながら怪我で選手生命を絶たれ、メジャーで審判になった竹本。この二人の人間関係を中心に物語りは進む。

日ごろ私たちがプロスポーツを見ていると、スポーツ選手のメンタルの強さには感心させられるのだが、実際はメンタルを良好に保つのは大変であることが伺える。
私のスポーツ経験は学生時代の部活ぐらいだが、この本では一流が故のメンタル面での悩みがはっきりと描かれており、そこを楽しむことが出来る。

本書は脇役として出てくる、チームの監督・エース・キャッチャー・契約のエージェントなども個性豊かに描かれており、メジャーリーグで優勝を目指す雰囲気を楽しむことの出来る作品となっている。

ただ、本書では日本人対決が描かれていないのが現実と若干異なるところだと思う。現在の日本人メジャーリーガーの多さを考えると、日本人選手のつながりがありそうなものだが、小説ではそこまで描かれていない。あえてそうしたのか、作者でもこんなにメジャーで日本人が多くなるとは分からなかったのかは知らないが。

野球を知っている人なら十分に楽しめる良作である。

☆☆☆(☆三つ)

余談だが、本書の舞台となったチームはボストン・レッドソックス。この本が出た後に松坂・岡島が移籍して一気に日本人の身近になったチームである。
この本を見るとボストンのピッチャーは大変に見えるのだが、松坂の成績が振るわなかったのもそうした原因があるのだろうか?
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