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キャラクターの魅力以外の面白さがあるライトノベル:狼と香辛料5 [小説]


狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈5〉 (電撃文庫)

  • 作者: 支倉 凍砂
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 文庫


経済系ライトノベルの狼と香辛料第5巻。
今回も相変わらず商人たる主人公が大もうけとヒロインへの思いとで揺れ動く内容となっている。
この小説の面白さはなんと言っても商売をテーマとした小説であること。私だけではなく、結構固めのブログを書いておられる作者でも楽しめているようなので、筆者は商行為・経済についてはある程度研究していると思われる。

今回の話のネタとなる儲けの源泉についても良く考えられており、小説としてのリアリティは十分に保たれている。ネタバレになるので詳しくは書かないが、興味のある人は第一巻から読んでみて、商売としてなぜ儲かるかについて考えられた部分を楽しむとよりいっそう面白いと思う。

また、今回の主題は「なぜ金儲けをするか」について、主人公が考える場面。この主題についての筆者の考えは金儲けよりも大事なことは必ず存在する。ということだと思う。
自分でもこの問題を考えるとどういう行動を取るか結構悩んでしまう。それだけに面白い。

ただ、ある程度成功した商人である主人公と、もう一人の成功した商人との間でこのテーマが語られているが、貧民がこのテーマについて考えると別の結論にはなるのだろう。そうなってくると商売系ライトノベルというより、哲学系ライトノベルになってしまうのだろうが・・・・

本シリーズは、キャラクターの魅力以外の面白さを兼ね備えた大人でも楽しめるライトノベルといえる。

☆☆☆(☆三つ)
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