一人称が特徴的:池袋ウエストゲートパーク [小説]
ドラマ化もされ、一時期大変に話題になった小説。
全体を通じて主人公の一人称で語られる部分が多いのが特徴。特徴的なため、私のように読みにくいと感じる人も居れば、amazonのレビューで多い意見のように簡単に読めてすばらしいとする意見もあると思う。
池袋西口公園(ウエストゲートパーク)を舞台に、若者の生態を描く内容。「不夜城 」や「新宿鮫 」の池袋版といった印象。
とはいっても、パクリなどではなく、池袋の舞台に合致した印象的なストーリーがつむぎだされている。
本書はデビュー作を含めた短編集で、主人公以外の登場人物も少年・少女を中心に魅力的な人物が描かれている。
「東京下町殺人暮色 」のレビューでは、90年の作品であるため考え方の差に時代を感じる面があると書いたが、本書は2001年の作品であり、比べてみると若者の考え方とそれを捕らえる世間の目が大幅に変わっていることが明らかである。
http://book-sk.blog.so-net.ne.jp/2008-03-15
そういう意味で本書は現代に近い感覚を持っており、スカッとするストーリーと合わせて気軽に読める。
老若男女にオススメだが、意外と若者に遠い私のような30代や40代のほうが時代に関わらず新鮮に読めるのではないだろうか(若い人はたぶん今とのギャップが目に付いてしまうと思う)。
但し、文体は独特なので、合わない人が居るかも。私としてはケータイ小説の文体における、太古のルーツのひとつではないかと思えてしまう。
☆☆☆★(☆三つ半)
2chでは「ふー、びっくりした。~サイレントマジョリティ」の人で有名だけど、作品自体は普通に面白いです。
2008-03-17 21:57
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