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身近だけど恐ろしいストーリー:交通警察の夜 [小説]


交通警察の夜

交通警察の夜

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 単行本



警察ものの小説において、刑事は花形だし、「ZERO」のようにスパイものでは公安もメジャー。薬物・売春を扱う小説には生活安全は欠かせないし、身近な交番を題材にした小説も「制服捜査」等数多い。

ところが、身近でありながら交通に関する小説は機動隊と不人気1,2を争うマイナージャンルであると思われる。


そんな身近ではあるがマイナーなジャンルを扱った隠れた傑作が本書。
作家が東野圭吾であることから大外れはないことは分かってもらえると思うが、本書は外れどころか大当たりの部類に入る面白さである。

本書は交通事件をテーマにした短編集。どの作品にも交通行政の問題点がはっきり表れており、読み応えが十分に味わえる。
東野圭吾だけあって、登場人物の描写も十分魅力的。
ミステリのため、内容を詳細に説明することは出来ないが、身近に感じることが出来る問題点だけに、落ち着いてみると怖さを感じてしまうあたりが本書の最大の魅力であるといえる。

本書は1991年と古い出版だが、少年やコンピュータ等移り変わりの激しいテーマを扱った作品ではないため、今でも古びた感じはなく、十分楽しめる(携帯電話が普及していないのだけは時代を感じるけど)。

簡単に読める薄い本だが、読んで損はない目新しさと楽しさが存在する。

☆☆☆☆(☆四つ)

浅田次郎が割に合わない犯罪として覚醒剤と共に挙げている飲酒運転については本書でも触れられていない。余りにありふれていてばかばかしいので断念したのであろうか?

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